・増収増益も一転減配へ
・エアフィルタ事業の不振響く、通期予想は上方修正
ヤマシンフィルタが11月5日に発表した2026年3月期第2四半期(中間期、2025年4〜9月)の連結決算は、売上高が前年同期比3.8%増の102億8,900万円、営業利益が同0.3%減の13億7,100万円、経常利益が同5.9%減の13億5,000万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同4.5%増の9億900万円となった。1株当たり中間純利益は12円99銭で、前年同期の12円30銭から増加した。
■主力事業が好調も新規事業に課題
■セグメント別では明暗分かれる
建機用フィルタ事業は、売上高が前年同期比6.2%増の92億300万円、営業利益が同8.6%増の14億7,300万円と好調に推移した。営業利益率も15.6%から16.0%へと改善した。
一方、エアフィルタ事業は売上高が前年同期比12.4%減の10億8,600万円と落ち込み、営業損益は前年同期の2,000万円の黒字から1億100万円の赤字に転落した。基幹システムの混乱は第3四半期以降に改善が見込まれるものの、業績回復には時間を要する見通しだ。
■配当は一転して大幅増額
同社は2026年3月期の連結業績予想を修正し、売上高を前期比3.7%増の208億4,000万円(修正あり)、営業利益を同9.1%増の28億7,000万円(同)、経常利益を同7.5%増の28億7,000万円(同)、親会社株主に帰属する当期純利益を同14.3%増の19億7,000万円(同)と見込む。1株当たり当期純利益は28円29銭を予想している。
配当については、中間配当を前回予想の5円から8円に増額し、期末配当も前回予想の7円から10円に増額する方針を示した。年間配当は前期の12円から18円へと大幅な増配となる。主力事業の好調により創業以来過去最高益を更新する見通しであることから、株主還元を強化する。
同社は12月に新たなエクイティストーリー「YAMASHIN FILTER VISION 2030」を公表予定で、ナノファイバー素材を活かした中期的な成長戦略を明確化する方針だ。