・欧州での油圧継手事業を拡大、フルードコンベヤンス事業の成長を加速
ダンフォス(Danfoss):2025年11月4日
ダンフォス・パワー・ソリューションズ(Danfoss Power Solutions)は11月4日、イタリアの油圧継手メーカー、ハイドロ・ホールディング(Hydro Holding Spa)を買収することで合意したと発表した。これにより同社は欧州市場でのフルードコンベヤンス(流体伝送)事業の強化を図る。買収は関係当局の承認を経て年内に完了する見通し。
同社は2015年にイタリアの独立系継手メーカー、ティエッフェ(Tieffe)とFBハイドロリック(FB Hydraulic)を買収したのを皮切りに、2017年には冷間成形鋼メーカーのラッコルファー(Raccorfer)とステンレス継手メーカーのMCSハイドロリクス(MCS Hydraulics)を統合するなど、段階的な事業拡大戦略によって形成された。
一方、ダンフォス・パワー・ソリューションズのフルードコンベヤンス事業部は、車両、航空機、鉱山機械、食品・飲料、産業機器など多様な用途向けにホースや継手を製造。主なブランドは「エアロクイップ(Aeroquip)」「ウェザーヘッド(Weatherhead)」「ウィナー(Winner)」「ボストン(Boston)」「シンフレックス(Synflex)」「SEL」で、2024年の売上高は12億ユーロ、従業員数は約5,300人に上る。
同事業部プレジデントのドメニコ・トラヴェルソ(Domenico Traverso)氏は、「ハイドロ・ホールディングの優れたチームを迎えられることを大変うれしく思う。ハイドロ・ホールディングは当社のフルードコンベヤンス事業内の一事業ユニットとして、欧州での成長を支える重要な役割を担う。両社の強みを融合させることで、欧州市場により統合的で差別化されたソリューションを提供できる」とコメントしている。
今回の買収により、ダンフォスは欧州油圧機器市場での競争力を一段と高め、ホースから継手までを網羅する総合的な流体伝送ソリューションの提供体制を強化する構えだ。