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NTN、25年4〜9月売上は2.8%減の4,023億円、営業益は29.3%増、構造改革と原価低減が奏功

NTNが10月31日に発表した2026年3月期第2四半期(中間期、2025年4~9月)連結決算は、売上高が前年同期比2.8%減の4,023億円となった。一方、営業利益は同29.3%増の129億円、経常利益は同150.5%増の87億円と大幅な増益を達成した。親会社株主に帰属する中間純利益は31億円(前年同期は21億円の損失)と黒字転換した。1株当たり中間純利益(EPS)は5.86円(前年同期はマイナス4.01円)となった。

■経営成績等の概況

中間期の世界経済は持ち直しの動きが緩やかになり、特に米国の通商政策が自動車産業に影響を与えた。中国経済は横ばい、欧州も足踏みがみられるなど、厳しい事業環境が続いた。

こうした中、同社は新中期経営計画「DRIVE NTN100」Finalに基づき、事業構造改革を推進。売上高は為替の影響や客先需要の低減により減収となったものの、売価転嫁や変動費・固定費の削減効果により、営業利益は前年同期比で約30億円増加した。経常利益は為替差損の縮小やデリバティブ評価損益の改善により大幅に伸長し、純利益も黒字転換を果たした。

■セグメントごとの経営成績
<地域別>
日本:売上高は1,728億円(前年同期比1.7%減)。産業機械向けやアフターマーケット向けは堅調だったが、自動車OEM向けが減少。セグメント利益は19億円(同62.3%減)と、為替影響などで大幅減益となった。

米州:売上高は1,329億円(同6.3%減)。自動車OEM向けで客先需要が低減し、為替影響も受けた。一方、セグメント損益は売価転嫁と固定費削減により30億円の利益(前年同期は10億円の損失)と黒字転換した。

欧州:売上高は924億円(同2.7%減)。産業機械向けは増加したものの、自動車関連が軟調。セグメント損失は12億円(前年同期は29億円の損失)と、赤字幅が縮小した。

アジア他:売上高は812億円(同4.3%減)。アフターマーケット向けは堅調だったが、自動車OEM向けが減少。セグメント利益は83億円(同11.4%増)と、コスト削減効果で増益を確保した。

<事業形態別>
軸受他事業:売上高は1,677億円(同0.3%減)、営業利益は46億円(同31.4%減)。

CVJアクスル事業:売上高は2,346億円(同4.6%減)、営業利益は83億円(同151.0%増)。コスト削減が奏功し、大幅な増益となった。

■連結業績予想などの将来予測情報

通期(2026年3月期)の連結業績予想は、売上高8,050億円(前期比2.5%減)、営業利益260億円(同13.2%増)、経常利益130億円(同24.1%増)を見込む。親会社株主に帰属する当期純利益は、事業再編費用などの影響により40億円の損失を予想。1株当たり当期純利益(EPS)はマイナス7.56円を見込んでいる。

同社は同日付で業績予想を修正しており、中間配当は5.50円、期末配当も5.50円で年間配当金は11円を予定している。

今後も「SQCCD」(安全、品質、法令遵守、コスト&キャッシュ、納期&開発)の強化を通じた「稼ぐ力」の向上に注力し、NTN再生の完了を目指す方針。​​​​​​​​​​​​​​

2026年3月期第2四半期決算短信

 

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