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KIONグループ、25年1〜9月売上は2.8%減の82億ユーロ

・第3四半期は堅調な業績 、9カ月累計の受注高が大幅増

・効率化プログラムの進展でコスト削減効果も確実に

KIONグループ(KION Group):2025年10月30日

フランクフルト発 マテリアルハンドリング機器大手の独KIONグループは10月30日、2025年度第3四半期(1〜9月累計)の業績を発表した。厳しい事業環境が続く中、受注高は前年同期比18.3%増の88億8,200万ユーロ(約1兆3,700億円、2024年同期:75億600万ユーロ)と大幅に伸長し、全事業部門で増加した。
売上高は82億ユーロ(同:84億3,500万ユーロ)と前年同期比2.8%減となったが、これは2025年初の受注残高が低水準だったことによる。調整後EBIT(利払い・税引き前利益)は5億7,540万ユーロ(同:6億6,670万ユーロ)、調整後EBIT率は7.0%(同:7.9%)だった。フリーキャッシュフローは3億9,280万ユーロ(同:4億3,130万ユーロ)と高水準を維持した。

ロブ・スミス(Rob Smith )CEOは「KIONは困難なマクロ経済・地政学的環境下で両事業セグメントの受注高を伸ばし、効率化プログラムの実施においても大きな進展を遂げた」とコメント。「堅調な年初来の業績に基づき、2025年通期見通しのレンジを絞り込み、フリーキャッシュフローの予想を引き上げた」と述べた。

■事業セグメント別動向

産業車両・サービス部門では、受注高が7.3%増の59億7,000万ユーロ(同:55億6,600万ユーロ)となった。新車事業ではカウンターバランス型フォークリフトと倉庫機器の両方が好調で、サービス事業も引き続き成長した。売上高は3.6%減の60億7,900万ユーロ(同:63億500万ユーロ)。調整後EBITは5億2,950万ユーロ(同:6億7,290万ユーロ)、調整後EBIT率は8.7%(同:10.7%)となり、出荷台数減少と粗利益率の前年比低下が影響した。

サプライチェーンソリューション部門では、受注高が50.5%増の29億4,100万ユーロ(同:19億5,500万ユーロ)と大幅に増加。プロジェクト事業の顕著な回復とサービス事業の継続的成長が牽引した。売上高は0.3%減の21億5,400万ユーロ(同:21億6,100万ユーロ)とほぼ横ばい。調整後EBITは1億2,600万ユーロ(同:7,050万ユーロ)と大幅改善し、調整後EBIT率は5.8%(同:3.3%)となった。サービス事業の持続的成長と堅実なプロジェクト遂行が収益性向上の主な要因。

■効率化プログラムとガイダンス修正

10月23日に公表された通り、効率化プログラムの一時費用は1億7,000万1億9,000万ユーロに減少する見込み(従来予想:2億4,000万2億6,000万ユーロ)。一方、削減効果の目標値は1億4,000万~1億5,000万ユーロでほぼ変更はない。

同社は2025年通期見通しについて、売上高、調整後EBIT、ROCE(使用資本利益率)の予想レンジを絞り込んだ。また、効率化プログラムに伴う一時費用の大部分が2026年第1四半期までキャッシュフローに影響しないこと、および一時費用総額が当初予想を下回る見込みであることから、フリーキャッシュフローの見通しを引き上げた。

ただし、この見通しは関税や重要資源へのアクセス制限などの貿易障壁によってKIONのサプライチェーンに重大な混乱が生じないことを前提としている。

■ KIONグループ(KION Group)について
KIONグループは産業車両、統合自動化技術、AI活用ソリューション、ソフトウェア、および関連サービスの包括的なポートフォリオを提供。2023年の販売台数ベースで欧州・中東・アフリカ地域最大の産業車両メーカーであり、倉庫自動化市場では2023年売上高ベースで世界トップの地位にある。
2024年末時点で190万台以上の産業車両が世界6大陸の顧客企業で稼働中。従業員数は4万2,000人超、2024年度売上高は約115億ユーロ。​​​​​​​​​​​​​​​​

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