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日本精工、25年4〜9月売上は3.7%増の4,123億円、ステアリング事業の連結化で好転

・通期売上予想は11.1%増の8,850億円

日本精工(NSK )が11月4日に発表した2026年3月期第2四半期(2025年4〜9月)の連結決算は、売上高が前年同期比3.7%増の4,122億5,000万円、営業利益が同69.7%増の164億6,700万円となった。税引前中間利益は同107.6%増の160億6,100万円、親会社株主に帰属する中間利益は同150.1%増の93億1,900万円だった。基本的1株当たり中間利益は19円6銭だった。

今期は9月1日付でステアリング事業を統括するNSKステアリング&コントロール社の全株式を取得し、連結子会社化したことが業績に大きく影響した。同社とその子会社の売上高や損益に加え、支配獲得に伴う一時的な損益も含まれている。

世界経済の環境を見ると、インフレ沈静化を背景に緩やかな回復傾向を示しているものの、米国の関税政策をはじめとする政策運営や各国の金融市場を巡る不確実性が高まっており、今後の経済成長減速が懸念される状況が続いている。

地域別では、日本は個人消費など一部に弱い動きが見られるものの景気は緩やかに回復している。米州では労働市場の悪化が見られるが底堅い成長が続いている。欧州では設備投資需要の低迷が続き、中国では不動産市場の低迷が続く中、政府の景気刺激策により消費が拡大したものの景気は足踏み状態となっている。

こうした経済環境の中、同社グループの業績は為替が円高に推移したことによる影響を受けたものの、インフレや関税に対して売価転嫁を推進したことにより、営業利益は前年同期比で大幅に改善した。

■ セグメント別業績
セグメント別では、産業機械事業の売上高が1,807億9,100万円で前年同期比0.2%の微増となった一方、営業利益は48億8,200万円で同11.2%減となった。設備投資需要が緩やかに回復したことで増収となったが、為替が円高に推移した影響を受けた。地域別では、日本が工作機械向けの販売増加により増収、米州がアフターマーケット向けや半導体製造装置向けの販売増加により増収、欧州は市況悪化の影響を受けて減収、中国は工作機械向けを中心に販売が増加して増収となった。

自動車事業の売上高は2,012億1,800万円で前年同期比1.0%増、営業利益は88億5,900万円で同38.4%増となった。グローバル自動車生産台数が前年同期から振るったことに加え、関税に対して売価転嫁を推進したことで増収増益となった。地域別では、日本は自動車生産台数が前年同期並みの水準だったため売上高はほぼ横ばい、米州は自動車販売が堅調で関税の売価転嫁の影響もあり増収、欧州は自動車市場の低迷が継続して減収、中国は電動ブレーキ用ボールねじの拡販により増収となった。

新たに報告セグメントに加わったステアリング事業は、売上高が151億8,400万円、営業利益が30億1,400万円となった。これには支配獲得日以降のNSKステアリング&コントロール社およびその子会社の売上高、損益ならびに支配獲得に伴い一時的に発生した損益が含まれている。

■ 通期の連結業績予想

通期の連結業績予想については、8月7日に公表した予想値を修正している。売上高は8,850億円で前期比11.1%増、営業利益は300億円で同5.4%増、税引前利益は290億円で同15.5%増、親会社株主に帰属する当期利益は160億円で同29.2%増を見込んでいる。基本的1株当たり当期利益は32円71銭を予想している。今回の修正は、ステアリング事業の連結化による影響を織り込んだものとなっている。なお、今回の連結業績予想の修正に伴う配当予想の修正はない。

同社は中期経営計画において、コアバリューである安全・品質・環境・コンプライアンスを最優先の共通価値基準とし、成長と収益を伴う経営、経営資源の強化、ESG経営という三つの経営課題に取り組みながら、事業基盤の強化を進めている。​​​​​​​​​​​​​​​​

日本精工の2026年3月期第2四半期決算短信

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