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カルマー、25年1〜9月売上は2%減の12億5,400万ユーロ

・第3四半期(7〜9月)は過去最高益率13.8%を記録

カルマー(Kalmar):2025年10月31日

フィンランド・ヘルシンキ発 – 重量物マテリアルハンドリング機器大手のカルマー社は、2025年1〜9月期の中間決算を発表した。第3四半期(7〜9月)の比較ベース営業利益率は過去最高の13.8%を記録。サービス事業の好調と効率化の進展が収益性向上を牽引した。

■第3四半期(7〜9月)の業績概要

受注高は前年同期比10%減の3億7,500万ユーロ(前年同期4億1,600万ユーロ)となった。機器部門の受注が20%減少したものの、サービス部門は受注・収益性ともに堅調に推移した。

売上高は同3%増の4億3,600万ユーロ(同4億2,500万ユーロ)。このうち環境配慮型製品「エコポートフォリオ」の売上は17%増の2億100万ユーロで、全体の46%を占めた。

営業利益は6,100万ユーロ(同5,400万ユーロ)で、売上高営業利益率は13.9%(同12.7%)。比較ベースの営業利益率は13.8%(同13.5%)と4%改善し、過去最高を更新した。

■1〜9月期累計の実績

1〜9月期累計の受注高は9%増の13億600万ユーロ(前年同期11億9,300万ユーロ)。売上高は2%減の12億5,400万ユーロ(同12億8,000万ユーロ)だった。
エコポートフォリオの売上は8%増の5億5,500万ユーロで、全体の44%を占めた。比較ベース営業利益は1億6,300万ユーロ(同1億6,400万ユーロ)、営業利益率は13.0%(同12.8%)となった。

■市場環境と通期見通し

サミ・ニーラネン(Sami Niiranen)社長兼CEOは「第3四半期は過去最高の営業利益率を達成したが、世界的な市場の不確実性が続いている」と指摘。特に米州市場での需要低迷と、関税・通商政策の変動による顧客の意思決定遅延が影響したという。一方で「外部指標を見る限り、市場は当初予想より回復力がある」と述べ、堅調な受注残高を背景に先行きに自信を示した。

同社は「ドライビング・エクセレンス」と呼ぶ効率化施策により、2025年は約2,400万ユーロの年間ベース効率改善を実現。主に調達活動の最適化が貢献した。
通期業績見通しは、比較ベース営業利益率12%超を維持した。

■中長期戦略

カルマーは2028年に向けた目標として、年平均売上成長率5%、営業利益率15%、自己資本利益率(ROCE)25%超を掲げる。
戦略の3本柱は、①脱炭素・電動機器やデジタル・自動化ソリューションへの投資、②サービス事業の拡大、③調達最適化とプロセス

■改善による収益性向上。

サステナビリティでは、EcoVadisゴールドメダルを獲得し、全評価企業の上位5%にランクイン。過去12カ月の機器受注に占める完全電動式の割合は11%に上昇した。

スウェーデン・ユングビーのイノベーションセンターでは、電動・自動運転製品の開発を加速する新テストセンターの建設も開始した。

■ カルマー(Kalmar)について
カルマーについて本社フィンランド・ヘルシンキ。港湾ターミナル、物流センター、製造業向けの重量物ハンドリング機器・サービスを提供。120カ国以上で事業展開し、従業員約5,200人。2024年売上高は約17億ユーロ。2024年6月30日にカーゴテック社から分離独立し、7月1日にナスダック・ヘルシンキに上場。

ニュースリリース

第3四半期レポート

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