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キャタピラー・ファイナンシャル、25年第3四半期決算は収益増も純益は微減

キャタピラー社(Caterpillar Inc.) :2025年10月29日

キャタピラー社の金融部門であるキャタピラー・ファイナンシャル(Cat Financial)は、2025年第3四半期(7~9月)の業績を発表した。収益は前年同期から4%増と堅調に伸びたものの、純利益は2%減となり、収益性と利益率の面で差が出た結果となった。
収益は9億ドル台に乗せ堅調推移
当四半期の収益は9億2,600万ドルを計上し、前年同期の8億8,800万ドルから3,800万ドル増加した。この増収は、主に平均収益資産(Average Earning Assets)の増加による好影響(5,600万ドル)が牽引したものである。一方で、平均融資金利(Average Financing Rates)の低下による悪影響(1,500万ドル)が一部相殺した。

■純利益は2%減、貸倒引当金の増加が要因

収益の増加とは対照的に、当四半期の純利益は前年同期の1億3,700万ドルから300万ドル減少し、1億3,400万ドルとなった。
しかし、税引前利益(Profit Before Income Taxes)は、前年同期比1%増の1億8,400万ドルと微増を確保した。これは平均収益資産の増加による好影響(2,300万ドル)が主因であったものの、貸倒引当金(Provision for Credit Losses)の増加(1,500万ドル)や一般管理費の増加(500万ドル)といったコスト増が利益を圧迫する形となった。また、法人所得税引当金には、海外子会社の繰延税金資産に対する評価性引当金1,000万ドルが計上されている。

■新規事業量は7%増、ポートフォリオの健全性は改善

営業実績では、新規小売事業量(Retail New Business Volume)が36億3,000万ドルとなり、前年同期から2億3,400万ドル(7%)増加した。取引量の増加は全セグメントで確認されたが、マイニング(Mining)セグメントの減少により一部が相殺された。
与信ポートフォリオの健全性を示す指標は改善傾向にある。第3四半期末時点の延滞率(Past Dues)は1.47%となり、前年同期末の1.74%から低下した。一方で、純償却額(Write-offs, net of recoveries)は4,000万ドルと、前年同期の2,700万ドルから増加している。

■経営陣「強固なポートフォリオを維持」

キャタピラー・ファイナンシャル(Cat Financial)社長 兼 キャタピラー(Caterpillar Inc.)上級副社長(金融製品部門担当)であるデイブ・ウォルトン(Dave Walton)氏は、「キャタピラー・ファイナンシャル(Cat Financial)は、歴史的に低い延滞率に反映されるように、強固なポートフォリオのパフォーマンスを伴う堅実な四半期を達成しました」とコメント。続けて、「チームは、戦略の実行に注力し、顧客とディーラーへの金融サービスソリューションによる支援を継続していきます」と述べ、今後の戦略実行に意欲を見せた。

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