・堅調なフリーキャッシュフローと強固な財務基盤を維持
・年間目標1億ユーロ超の達成に向け順調に推移
パルフィンガー(PALFINGER):2025年社10月27日
同期の売上高は前年同期比 3.5%減の16億8,420万ユーロ、営業利益(EBIT)は同17.6%減の1億3,070万ユーロ、純利益は7,240万ユーロとなった。特筆すべきは財務体質の大幅な改善で、自己資本は前年同期比1億3,800万ユーロ増加し、自己資本比率は41%超に達した。
■地域別に明暗分かれる需要動向
一方、北米では夏季に導入された通商法232条に基づく関税措置により、需要と収益性が低下。対照的にラテンアメリカは、ブラジルの好調な経済を背景に過去最高水準を記録した。
アジア太平洋地域では、インドの急成長が牽引役となり引き続き成長を維持。海洋事業も好調な市場環境を受け高い収益性を達成した。
アンドレアス・クラウザー(Andreas Klauser)最高経営責任者(CEO)は「地域ごとの違いは、機動的に対応し機会を捉えることの重要性を示している。この姿勢により、困難な状況下でも収益性のある成長を実現できる」と述べた。
■自己株式売却で財務基盤を強化
第3四半期には自己株式の売却により浮動株比率を43.5%に引き上げ、ウィーン証券取引所の主要指数ATXへの組み入れに向けた条件を整えた。1株35.40ユーロでの売却により1億ユーロ超の資金を調達し、グローバルなサービス・生産ネットワークの拡大や新規事業開発に戦略的に投資する。
この結果、自己資本比率は35%から41.3%に上昇し、純有利子負債は7億5,880万ユーロから5億7,720万ユーロに削減された。
■新戦略「リーチ・ハイヤー」で2030年に売上高30億ユーロ目指す
パルフィンガーは10月10日のキャピタルマーケットデーで新戦略「リーチ・ハイヤー(Reach Higher)」を発表。北米とアジア太平洋の成長市場への進出強化と、高利益率のサービス事業拡大に注力する。
2030年の財務目標として、売上高30億ユーロ超、EBIT利益率12%、投下資本利益率(ROCE)15%を掲げた。
■2025年通期見通し
第3四半期の米国関税措置の影響は第4四半期も継続するが、欧州での生産増により、第3四半期までの収益減少を第4四半期でほぼ補う見通し。同社は2025年度を成功裏に終える構えだ。
パルフィンガーは革新的な昇降・積載ソリューションの世界的リーディングカンパニーで、約1万2,350人の従業員、30の製造拠点、グローバルな販売・サービスネットワークを擁する。1999年にウィーン証券取引所に上場し、2024年度の売上高は23億6,000万ユーロだった。