アイダエンジニアリングは10月28日、米国のコイル送り装置メーカーであるダラス・インダストリーズ(Dallas Industries)を子会社化する契約を締結したと発表した。取得完了は10月31日(米国現地時間)を予定している。
同社はプレス成形システムの総合メーカーとして、プレス機を中心に材料供給装置や自動搬送装置などを含む生産ライン全体のソリューションを提供している。海外ユーザーの現地調達志向が高まるなかで、今回の買収は米州における自動機供給体制の強化を目的としたもの。
ダラス・インダストリーズはコイル送り装置などの設計・製造を手掛ける企業で、高い技術力とサービス力を有しており、アイダとの協働による納入実績も多い。今年4月に買収したHMSプロダクツ(HMS Products Co.)に続く米国での戦略的M&Aとなる。
ダラス・インダストリーズはコイルフィーダー分野、HMSプロダクツはディスタックやトランスファーフィーダー分野に強みを持ち、両社を傘下に収めることで、アイダグループは小型から大型までのプレスライン全体を独自に構築できる体制を整える。
両社はいずれもデトロイト近郊に所在しており、今後は工場や生産設備、システムの共同運用を視野に入れた追加投資を行う。HMSプロダクツおよびダラス・インダストリーズの買収と追加投資を合わせた米州での総投資額は約50億円を見込む。
また、アイダグループでは本社のFA部門・開発部門や、自動機制御を担う国内子会社REJとのグローバル連携を強化し、AI活用を含めた自動化システム開発を推進。米国内のユーザーに対しては、プレス機だけでなく自動機も現地調達可能となり、米国の関税負担軽減にも寄与する見通し。
同社によると、本件買収の2026年3月期連結業績への影響は軽微としている。
<ダラス・インダストリーズ(Dallas Industries)社の概要>
• 名称:ダラス・インダストリーズ(Dallas Industries)
• 所在地:米国ミシガン州
• 事業内容:コイル送り装置等の設計・製造
• 設立年:1962年
• 従業員:約40名
• 売上高:2024年12月期 1,450万米ドル(約22億円)