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日立建機、米国向け関税影響を精査、年間103億円の原価増を織り込み

日立建機は10月28日、米国向け事業における関税影響の最新試算を公表した。米国で2025年8月に拡大された鉄鋼・アルミ関税の派生品目に完成品が新たに該当したことを受け、同社は年間103億円の原価増を見込む。

同社の米国向け事業は、日本国内工場から完成品および部品を輸出する形態がほぼ100%を占めており、第三国経由の輸出は僅少。このため、影響は主に日米間の関税に限定される。8月18日以降、完成品に含まれる鉄鋼・アルミ材の購入価格に対し50%の鉄鋼・アルミ関税が、鉄鋼・アルミ材を除いた価格には15%の相互関税が課される仕組みとなった。

米国向けのOEM(相手先ブランド)供給については、関税は取引先側が負担する形となっている。だが、同社ではグローバル需要および販売減の影響を含め、全社的なリスクとして最大限に考慮。関税未適用在庫の販売も踏まえた上で、調整後営業利益ベースで年間103億円の原価増加を見込む。これは7月公表時点(86億円)から17億円増で、主に完成品への鉄鋼・アルミ関税の追加適用を反映した。

一方で、同社は販売価格の引き上げなどにより対応を進めている。2025年6月および10月に実施した値上げ効果により、年間40億円の増益効果を見込む。7月時点の試算(23億円)から増加しており、10月の追加値上げを反映したものだという。

同社では引き続き、レンタルビジネスの強化や原価低減活動などを通じて、関税影響の最小化を図る方針。米国関税による需要変動やコスト上昇への対応を総合的に進める構えだ。

日立建機の2026年3月期第2四半期決算説明資料

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