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三一(SANY)、世界最高到達高さ159.66mの消防車でギネス世界記録を達成

三一(SANY):2025年10月23日

中国の建設機械大手、三一集団(SANY Group)は、自社開発による「空中放水消防車 JP100」が「消防車(試作機)による世界最高到達高さ」としてギネス世界記録™を樹立したと発表した。最大放水高さは159.66メートルに達し、10月16日に閉幕した「第21回中国国際消防設備技術会議・展示会」で公式認定を受けた。これはサニーの緊急救助機器開発における歴史的成果であり、高層建築物の火災対応技術における新たな節目となる。

■100m級ブームを搭載した革新的消防車

JP100は、世界初の5軸構成による100メートル級空中放水消防車であり、複数の独自技術を融合している。

・6段の伸縮部と3段の折り畳み部を組み合わせた革新的ブーム構造により、最大100メートルの作業高さを実現。
・高圧・低圧の多段遠心ポンプを搭載し、定格流量は毎秒50リットル。最大放水距離は70メートル超、作業半径は100メートルを超える。
・同クラス機より10トン軽量、軸数も1軸少ない5軸シャーシを採用し、優れた機動性を確保。
・リモート制御システムにより、主要な消火動作を1人のオペレーターで実行可能とし、現場対応の効率を大幅に向上させた。

■超高層火災対応への実用的ソリューション

都市の高層化に伴い、超高層建築物の火災は世界的な課題となっている。JP100は、この課題に対し現実的かつ強力な解決策を提示する。

・159.66メートルという記録的放水高さは、ほぼすべての超高層建築物に対応。
・可動式の関節ブームにより、20~30階建ての住宅でも障害物越しや背面からの放水を可能とし、現場制約を大幅に低減。
・総重量は54トンと軽量で、過積載の心配なく迅速な出動が可能。最小旋回半径は23.7メートルで、都市部の狭隘空間でも高い機動力を発揮する。

■技術革新への継続投資

三一は長年にわたり、売上高の約5%を研究開発に投資してきた。2025年の「サニーテックフェスティバル」では、業界を変革する先端技術や革新的アイデアを表彰するため、総額6億元(約130億円)を超える報奨金を設けるなど、技術革新を経営の柱に据えている。

JP100のギネス記録達成は、三一の技術力と挑戦精神を象徴する成果であり、同社は「革新に限界はない。三一にも限界はない」とコメントしている。

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