ダンフォス(Danfoss):2025年10月24日
デンマーク・ノルドボー発、ダンフォス・パワー・ソリューションズ(Danfoss Power Solutions)は10月24日、同社の油圧ポンプ「H1P」および「MP1P」向けに新たな変位制御システム「ハイブリッド・ロード・コントロール(Hybrid Load Control)」を発表した。モバイル機械のハイドロスタティック駆動(二重モード用途)に対応し、荷重に依存しない制御(EDC:Electric Displacement Control)と荷重に応じた制御(NFPE:Non-Feedback Proportional Electric Control)の2つの制御特性を1ユニットに融合した特許技術である。これにより、従来両立が難しかった性能を同時に実現し、オペレーターの快適性と生産性を大幅に高めるという。
ロード依存モードではブレーキ時の滑らかさが向上し、ロード非依存モードでは精密な速度制御と即応性を発揮。これにより操作感が大幅に向上し、長時間の作業でも疲労を軽減できる。
同システムはハードウェアとソフトウェアを一体化した設計となっており、設計者は「PC-PRO」ソフトウェアパッケージを介して、ダンフォス製マイクロコントローラ「PC036」と連携させて使用する。PLUS+1®対応により、走行特性を左右する主要パラメータの設定が容易に行える。
また、従来の二重モード実現方法と比べ、システムの堅牢性向上、機械構成の簡素化、コスト削減を実現。追加センサーを必要とせず、故障リスクや部品コストを抑制できる点も特徴だ。スワッシュプレート角度や圧力検出などのセンサー配線や較正作業が不要となり、立ち上げ時間とメンテナンス負担を軽減。さらに、ハイドロスタティックブレーキの最適化により機械式ブレーキの依存度を下げ、摩耗と運用コストを低減する。
同社ハイドロスタティック部門のアビジット・パトワ氏(Abhijit Patwa、ミディアムパワー・ポートフォリオマネジメントディレクター)は次のように述べている。
「ハイブリッド・ロード・コントロールは、EDCとNFPEの長所を融合させた画期的なソリューションです。もはやどちらかを選ぶ必要はありません。“妥協なき制御”を実現しました。柔軟性と性能の両面で、他に類を見ないシステムです。OEMや販売パートナーの皆様には、アグリテクニカ(Agritechnica)の当社ブースでぜひ実際にご覧いただきたいと思います。」
ダンフォスは今後、同技術の適用拡大を通じて、建設機械・農業機械・特殊車両分野におけるハイドロスタティック駆動システムの高性能化と省エネ化を推進していく方針。