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メッツォ、2025年第3四半期は売上高10%増の13億2,800万ユーロ

・新戦略発表で成長と収益性重視へ舵を切る

メッツォ (Metso):2025年10月23日

ヘルシンキ、フィンランドの鉱山・骨材機械大手メッツォは10月23日、2025年第3四半期(7〜9月)および19月期の業績を発表した。第3四半期の売上高は前年同期比10%増の13億2,800万ユーロ(約2,351億円、1ユーロ=177円換算)となり、両事業セグメントが堅調に推移した。

■第3四半期は受注・売上ともに増加

第3四半期の受注高は2%増の12億6,400万ユーロ(約2,237億円)。骨材事業が8%増、鉱物処理事業が1%増となった。為替変動の影響を除いた実質ベースでは7%増と底堅い成長を示した。
売上高は骨材事業が9%増、鉱物処理事業が10%増と均等に貢献。調整後EBITAは2億2,200万ユーロ(約393億円)で、売上高比率は16.7%(前年同期16.8%)とほぼ横ばいを維持した。営業利益は11%増の2億500万ユーロ(約363億円)で、売上高営業利益率は15.5%に改善した。
営業キャッシュフローは2億6,600万ユーロ(約471億円)と大幅に改善し、前年同期のマイナス1,900万ユーロから黒字転換した。

■1〜9月期累計は受注4%増

1〜9月期累計では、受注高が4%増の39億7,000万ユーロ(約7,027億円)、売上高が2%増の37億9,700万ユーロ(約6,721億円)となった。調整後EBITAは6億2,000万ユーロ(約1,097億円、前年同期比4%減)で、営業利益は5億5,100万ユーロ(約975億円、同5%減)だった。営業キャッシュフローは6億900万ユーロ(約1,078億円)と前年同期の2億9,000万ユーロから倍増した。

■鉱物処理事業は銅・金関連プロジェクトに期待

サミ・タカルオマ(Sami Takaluoma)社長兼CEOは、「第3四半期も顧客活動は引き続き堅調だった」と述べた。鉱物処理事業では、中小規模の投資案件の意思決定が健全なレベルで推移。大型投資は外部要因による不確実性があるものの、銅・金関連プロジェクトの進展には期待を寄せている。金属価格が好調を維持しており、新規プロジェクトとアフターマーケット需要の両面を支えているという。

骨材事業では季節要因により前四半期比で需要が減少したものの、主要市場の大半で前年同期を上回る水準を維持した。ただし、最大市場である米国については、関税問題とその顧客活動への潜在的な悪影響を注視しているとした。

■新戦略「We go beyond.」を発表

メッツォは9月に新戦略「We go beyond.」を発表。顧客を中心に据え、顧客体験、持続可能性と安全性のリーダーシップ、財務的卓越性に焦点を当てた。骨材事業ではアフターマーケットとリサイクル分野でのリーダーシップを強化し、鉱物処理事業ではエネルギー転換に必要な鉱物の成長を技術と顧客密着で推進する。

成長率、収益性、財務健全性、配当に関する新たな財務目標も設定し、10月初旬の資本市場向け説明会で詳細を公表した。

■市場見通しは現状維持も関税問題に警戒

メッツォは今後6カ月間の市場見通しについて、鉱物処理および骨材の両市場で活動レベルは現状を維持すると予想。ただし、関税関連の混乱が世界経済の成長と市場活動に影響を及ぼす可能性があると指摘した。

タカルオマCEOは「四半期の好業績、成長と収益性に焦点を当てた新戦略、そして過去最高の従業員満足度により、メッツォはかつてないほど強固になっている」と自信を示した。

メッツォはフィンランド・エスポーに本社を置き、約50カ国に約1万7,000人の従業員を擁する。2024年の売上高は約49億ユーロ(約8,673億円)で、ナスダック・ヘルシンキに上場している。

ニュースリリース

第3四半期プレゼン資料

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