エピロック(Epiroc):2025年10月22日
エピロックの社長兼CEOであるヘレナ・ヘドブロム(Helena Hedblom)氏は、「ピットバイパーは25年にわたりパワフルな穿孔性能の基準を示し、10年にわたり自律運転技術の先駆けとして信頼を築いてきた。安全性、生産性、エネルギー効率のいずれにおいても顧客の信頼を得ており、継続的なアップグレードによって年数を重ねても進化を続けている」と述べている。
■ 自律運転10年間の実績
ピットバイパーの自律運転モデルは、これまでに以下のような成果を挙げている。
• 生産性向上:穿孔深度の精度が平均85%向上し、過剰掘削を800万メートル以上削減。位置精度も平均60%改善した。
• 稼働率向上:自律モードでの総穿孔距離は9,000万メートルを超え、稼働率は手動モード比で17%高い。
• 環境負荷低減:累計8,500万リットルの燃料を節約し、CO₂排出量を約22万5,000トン削減。これは1,000万本超の植林効果、あるいは約5万台の乗用車の年間排出量に相当する。
• 安全性向上:無人運転によるリスク低減に加え、2022年に導入された「自動ビットチェンジャー(Automatic Bit Changer:ABC)」により、安全性と稼働時間をさらに向上。ボタン一つで穿孔ビットの自動交換が可能となり、これまでに7,000個以上のトライコーンビットを自動交換した。
■ ピットバイパーの進化と自律化の歩み
ピットバイパーは当初から高出力・高機動性を兼ね備え、オンボードコンピュータを備えたモデルとして開発された。手動操作から自動化、そして完全自律運転へと進化を遂げた同シリーズは、10年前にオーストラリア・ピルバラ地方の鉄鉱山で2台の「ピットバイパー271(Pit Viper 271)」を用いた実証運転に成功したのを皮切りに、世界各地の露天鉱山へ普及。現在では銅、金、プラチナ、リン鉱石など多様な資源採掘現場で稼働している。
自律型ピットバイパーは、遠隔制御室(時には現場から1,000km以上離れた場所)から操作され、複雑な穿孔計画を高精度かつ安全に遂行している。
■ エピロックについて
エピロックは、鉱山・インフラ分野の生産性向上パートナーとして、持続可能な社会への転換を推進している。ドリルリグや掘削機、建設機械などの開発に加え、自動化・デジタル化・電動化ソリューションを提供。2024年の売上高は約640億スウェーデンクローナ(約9,400億円)で、世界約150カ国で1万9,000人の従業員が顧客を支援している。