kikai-news.net

米キャタピラー、製造投資と人材育成を強化 ― インディアナ州大型エンジン工場に725百万ドル、AI・データセンター需要に対応

キャタピラー(Caterpillar Inc.) :2025年10月21日

米キャタピラーは10月21日、米国インディアナ州において、大型エンジン工場の大規模拡張および将来の製造業人材育成プログラムへの投資を発表した。エネルギー需要の高まりとAI・データセンターの拡大を背景に、生産能力の増強と次世代人材の育成に取り組む。

今回発表されたラファイエット(インディアナ州)の大型エンジン工場では、総額7億2,500万ドル(約1,100億円、152円換算)を投じる設備拡張計画が進行中で、キャタピラーの歴史の中でも最大規模の単一製造投資のひとつとなる。同工場では発電用途向けの大型エンジンを生産しており、停電時のバックアップやAI・データセンター向けの電力供給など、増加する電力需要への対応を強化する。

エネルギー&トランスポーテーション部門プレジデントのジェイソン・カイザー(Jason Kaiser)氏は「世界的にエネルギー需要はこれまでにないペースで増加している。ラファイエットで製造されるエンジンの多くは、米国内外の重要インフラを支える信頼性の高い電力供給に寄与する」と述べた。

併せて同社は、米国における製造業人材の育成・再教育を目的とした5年間総額1億ドルのプログラムの一環として、インディアナ州に最大500万ドルを拠出することを決定。高度製造分野への関心を高め、次世代の米国製造業労働者を育成する狙いだ。

最高人事責任者(CHRO)のクリスティ・パンビアンチ(Christy Pambianchi)氏は「これからの製造現場には新しいスキルが必要となる。インディアナを出発点に、米国の製造業で質の高い職を得られるよう支援したい」とコメントした。

インディアナ州のブラウン知事(Governor Braun)は「キャタピラーの投資は、当州の成長政策と優れた労働力、そして企業立地に適した環境を示すものだ」と述べ、同社の継続的なコミットメントを歓迎した。

キャタピラーは全米25州に65以上の主要拠点を持ち、独立ディーラー網を通じて全国規模で事業を展開。米国内の従業員数は約5万1,000人に上り、そのうちインディアナ州では12拠点に約4,100人を雇用している。2016年以降、米国からの輸出額を75%拡大させており、主要な製品輸出企業としての地位を確立している。

■キャタピラーについて
キャタピラー(Caterpillar Inc.)は、建設機械、鉱山機械、オフロード用ディーゼル・天然ガスエンジン、産業用ガスタービン、ディーゼル電気式機関車の世界最大手メーカー。2024年の売上高は648億ドル。創業100年を迎えた同社は、持続可能な社会の構築と脱炭素化への貢献を掲げ、建設・資源・エネルギー&トランスポーテーションの3事業を中心に展開している。

ニュースリリース

モバイルバージョンを終了