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豊田自動織機、発電機用8kW燃料電池モジュールを発売

・パッケージ化でFC製品の商品化期間を大幅短縮

豊田自動織機は10月17日、発電機用の8kW燃料電池(FC)モジュールを発売したと発表した。FCスタックやエアコンプレッサー、水素循環ポンプなどの関連部品を一体化したパッケージ製品で、FC製品メーカーの商品化リードタイムを大幅に短縮できるのが特徴だ。水素利活用の拡大とFC製品の普及促進に貢献する狙いがある。

同社は2016年に国内初のFCフォークリフトを発売して以来、FC関連技術の開発を加速してきた。2022年にはトヨタ「MIRAI」搭載の燃料電池セルを活用した新型FCフォークリフトを市場投入。このフォークリフト用FCシステムをベースに、2021年に8kWクラス、2023年に50kWクラスのFCモジュールを開発し、実証実験を重ねてきた。

今回発売する8kW FCモジュールは、エアコンプレッサーや水素循環ポンプなどの主要部品を内製する同社の強みを活かし、最適設計によるコンパクト化を実現した。建設現場や屋外イベントなど、小型FC発電機としての幅広い活用が見込まれる。

■業界最高水準の効率性を実現

製品の主な特長は、業界最高水準の高効率(同社調べ)を達成した点だ。発電装置を1パッケージ化することで、FC製品メーカーは開発期間を大幅に短縮できる。また、冷却装置取り付けが可能なモデルをラインアップし、排熱利用にも対応。通信機能を搭載しており、稼働情報の収集も可能だ。

製品は冷却装置外付け型(TFCM2-08B)と内蔵型(TFCM2-08R)の2モデルを用意。定格出力は8.0kW、電圧48V。外形寸法は外付け型が幅440×奥行650×高さ558mm(質量147kg)、内蔵型が幅440×奥行742×高さ720mm(質量159kg)となっている。使用可能な周囲温度は標準仕様で0~40℃、氷点下仕様で-20~40℃に対応する。

■カーボンニュートラル実現へ貢献

2050年カーボンニュートラルの実現には、水素利活用のさらなる拡大が不可欠とされる。同社は水素ステーションなどのインフラ整備とともに、FC製品の普及が重要と位置づけており、今後も市場ニーズに応えるFC関連製品の開発を進め、水素社会の実現に取り組む方針だ。

なお、同FCモジュールは10月30日から11月9日まで東京ビッグサイトで開催される「ジャパンモビリティショー2025」に出展される予定となっている。

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