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技研製作所 、25年8月期売上は10.7%減の263億円、建設コスト高響き減収減益、海外は過去最高水準に

油圧式杭圧入引抜機メーカーの技研製作所(高知市)が10月10日に発表した2025年8月期連結決算は、売上高が前期比10.7%減の263億3,700万円、営業利益が同22.8%減の25億6,600万円、経常利益が同23.7%減の27億3,200万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同39.0%減の14億8,700万円と減収減益となった。1株当たり当期純利益(EPS)は90円99銭から55円74銭に減少した。

技研製作所2025年8月期データ

■国内の設備投資冷え込み影響

当期は国内で建設コストの上昇やそれに伴う施工量の減少、技能労働者不足がユーザーの設備投資を冷え込ませ、一般機の販売に大きく影響した。特別損失として、元海外連結子会社との和解に伴う訴訟関連損失3億100万円および貸倒引当金繰入額5億1,100万円の計8億1,200万円を計上したことも利益を圧迫した。

一方、海外では現地パートナーとの協働体制を強化する総合支援サービス「GTOSS」会員と連携した市場形成活動が成果を上げ、各地域で製品販売が進捗。大型特殊機の販売も集中し、過去最高水準の売上高を達成した。

■セグメント別業績

建設機械事業は、国内の設備投資マインド冷え込みによる製品販売不振が響き、売上高は前期比15.7%減の176億5,600万円、営業利益は同15.8%減の38億9,200万円となった。ただし海外では、オランダの治水対策事業での大型特殊機販売、韓国での4台目のジャイロパイラー販売、シンガポールとインドの新規ユーザーへの販売など、GTOSS会員拡大が奏功し過去最高水準を記録した。

圧入工事事業は、能登半島地震の復旧工事や防災・減災関連工事が堅調に推移し、売上高は前期比1.6%増の86億8,000万円となった。ただし付加価値の高い開発型案件の減少により、営業利益は同6.1%減の10億9,000万円にとどまった。

■2026年8月期は増収増益予想

次期(2026年8月期)連結業績予想は、売上高が前期比5.6%増の278億円、営業利益が同13.0%増の29億円、経常利益が同11.6%増の30億5,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同47.9%増の22億円を見込む。EPSは87円76銭を予想している。

国内では新機種投入による需要増を、海外では各国・地域における市場拡大を背景に前期の過去最高水準を上回る見通し。圧入工事事業も能登半島地震の復旧工事や防災・減災関連工事の堅調な受注が続くと予測している。

■記念配当を含む年間54円

当期の配当は、中間22円と期末32円(普通配当22円、サイレントパイラー誕生50周年記念配当10円)の合計54円。次期も年間54円(中間・期末各27円)を予定している。なお、同社は10日の取締役会で、資本効率向上と株主還元充実のため、上限138万株・20億円の自己株式取得と、112万株の自己株式消却を決議した。​​​​​​​​​​​​​​​​

技研製作所の2026年8月期決算短信

決算説明資料

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