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米キャタピラー、次世代バックホーローダ「Cat 440/450」を発表

・新エンジン搭載で性能・操作性を向上

キャタピラー(Caterpillar)は10月7日、次世代バックホーローダ「Cat 440」と「Cat 450」を発表した。新開発の高効率エンジン「Cat C3.6」を搭載し、油圧性能や操作性、機能拡張性を大幅に向上させたモデルで、北米市場向けに2025年第4四半期より販売を開始する。

新型440/450は、既存の416~430シリーズと共通のエンジンプラットフォームおよび電子アーキテクチャを採用。共通化により部品の互換性を高め、運転感覚の統一を図った。キャタピラー・シニアプロダクトコンサルタントのデービッド・ヤング(David Young)氏は「操作系を刷新し、オペレータの好みに合わせた制御選択を可能にした」と述べている。

■高出力・高効率のC3.6エンジン

新搭載の「Cat C3.6」エンジンは、米国EPA Tier4 Finalおよび欧州Stage V排出ガス規制に適合し、選択触媒還元(SCR)と酸化触媒(DOC)技術を採用。従来機440比で出力を9%以上向上し、最大出力は130馬力(97kW)に達する。450モデルは従来通り145馬力(108kW)の高出力を維持する。

油圧系には負荷感応式ピストンポンプを採用し、エンジン回転数にかかわらず最大の掘削・リフト力を発揮。可変流量機構により作業負荷に応じた油圧出力を自動調整し、省燃費と操作効率を両立する。また、バケットのキックアウトや「リターン・トゥ・ディグ(自動掘削位置復帰)」機能、平行リフト制御なども装備し、多様なアタッチメント作業に対応する。

■操作性と電子制御の進化

キャブ仕様車には、新開発のタッチスクリーンディスプレイを搭載。操作画面の直感性を高めるとともに、速度計表示、モジュレーション(動作応答)設定、アタッチメントごとの油圧流量調整などを可能にした。ローダのリフト・チルト動作、バックホーのブーム・スティック・バケット・スイング各機能の応答性を個別に設定でき、用途や操作者の好みに応じたチューニングが行える。

新たにQRコードがディスプレイに統合され、スマートフォンから「Cat Operator Training」へアクセスできるようになった。操作技術や保守点検方法、各種機能の活用法を学べる動画・資料が提供され、機械性能を最大限に引き出す支援を行う。

また、標準装備の「インビークル・ヘルスモニタリング(IVHM)」機能が点検時期や保守情報を通知。さらに、Podマウント式ジョイスティックのオプションも追加され、従来型の4レバー方式を電子制御化するなど、操作インターフェースの柔軟性を高めている。

■多用途化とデジタル連携

ローダ部には油圧流量調整機能付きの「インテグレーテッド・ツールキャリア(ITカプラー)」を装着可能。工場出荷時または後付けキットで導入でき、フォーク、スイーパー、各種Catアタッチメントを迅速に交換できる。バックホー側でも、デュアルロックピングラバーやピンロックなどの油圧・機械式カプラーを選択できる。

遠隔監視システム「ビジョンリンク(VisionLink)」に対応し、標準搭載の「Catプロダクトリンク(Product Link)」が機械稼働データを収集。燃料消費量、点検時期、エラーコードなどを分析し、フリート(保有機械群)の効率的な運用を支援する。

■40年の系譜を継ぐ最新世代

キャタピラーは1985年に初のバックホーローダ「Cat 416」を発売して以来、耐久性・パワー・多用途性を強みとしてシリーズを拡充。今回の440/450は、その40年にわたる改良の集大成として、電子制御技術と油圧性能をさらに進化させた次世代機となる。

詳細はキャタピラーの公式サイト(cat.com)または各地のCatディーラーで確認できる。

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