キャタピラー(Caterpillar)は10月7日、5~10トンクラスのミニ油圧ショベル「Cat 305 CR」「308 CR」「309 CR」「310」モデルを対象に、操作支援機能や安全性能を中心とした複数の改良を実施したと発表した。
「E-Fence」は、機械の動作範囲を事前に設定した境界内に自動的に制限する機能で、上方・下方・前方・左右の構造物との接触を防止しながら安全かつ効率的な作業を支援する。具体的には、電線や天井を避ける「Ceiling」、地中の配線や管路を保護する「Floor」、正面構造物への接触を防ぐ「Wall」、そして歩行者や車両のある方向への旋回を制限する「Swing」などが含まれる。
また「Indicate」機能は、掘削深さや勾配をモニター上で視覚的・聴覚的にフィードバックする入門レベルのグレードシステムで、初回から高精度な仕上げを実現する。さらに「Laser Catcher」オプションを追加することで、レーザー送信機との連携により大規模現場でも高い精度を維持できるようになった。
8~10トンクラスの「308 CR」「309 CR」「310」については、新たに「Cat C2.8」エンジンを搭載。従来の「C3.3B」と同等の出力を維持しつつ、米国EPA Tier 4 Finalおよび欧州Stage V規制に対応した。メンテナンス不要の酸化触媒(DOC)およびディーゼル微粒子フィルタ(DPF)を採用し、整備コストの削減にも寄与する。
このほか、複雑な油圧アタッチメントに対応する「第3補助油圧回路」や、後方視認性を高める標準リアビューカメラを新設。「310」モデルにはサイドビューカメラも標準装備され、「308 CR」「309 CR」ではオプションとして選択可能となった。
さらに「308 CR」には新たに角度付きドーザーブレード仕様が登場。右側ジョイスティックでスティックステアとブレードを同時に操作でき、小型ブルドーザのような操作感を実現する。ブレードは「フロート機能」や、耐摩耗性を高める3分割ボルトオン式カッティングエッジを備える。
今回の各種改良は、次世代Catミニショベルシリーズが採用する4つの業界初機能――「スティックステア」「クルーズコントロール」「オペレーター設定機能」「大型タッチスクリーン操作パネル」――をさらに進化させ、操作性・安全性・整備性のすべてを底上げするものとなっている。
また、発売100周年を記念した限定カラー「センテニアルグレー」仕様の「Cat 305 CR」「308 CR」も披露され、10月7~9日に米国ケンタッキー州ルイビルで開催の「Utility Exposition」および同21~24日の「Equip Exposition」に展示される予定。来場者は「308 CR」角度付きブレード仕様の実機を体験できるという。
詳細情報は、キャタピラーの公式サイト(cat.com)または各地域のCatディーラーを通じて入手できる。