東洋エンジニアリング(TOYO)は10月9日、ガイアナ沖で進められている「Hammerhead FPSOプロジェクト」が第2フェーズとなるEPCI(設計・調達・建造・据付)段階に移行したと発表した。
このプロジェクトは、TOYOの持分法適用会社であるOffshore Frontier Solutions(OFS)が、2025年4月に三井海洋開発(MODEC)から受注したもので、今回の移行はエクソンモービル・ガイアナ(ExxonMobil Guyana)による最終投資決定(FID)を受けて実施された。
■FPSOの設計から据付までを一括実施
OFSは、FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)の設計、機器調達、建造、据付までを包括的に担う。第1フェーズである基本設計(FEED)はすでに完了しており、現在はEPCI実行に向けた準備が進められている。
Hammerhead FPSOは、日量15万バレルの原油処理能力を有し、これに関連するガスおよび水処理設備も備える予定。生産開始後は、ガイアナ沖合での石油開発プロジェクト群の中核を担う設備となる見通し。
■TOYOとMODECの共同事業体制
OFSは、TOYOとMODECが2022年8月にシンガポールで設立した合弁会社で、TOYOが35%を出資。FPSO事業のEPCIを専業とする体制を整えており、今回のプロジェクトはその実績拡大の一環と位置付けられる。
■エンジニアリングによる持続可能な社会の実現へ
TOYOは、化学肥料プラントの分野で培った技術を基盤に、石油化学、エネルギー、資源開発、発電など多分野へ事業を拡大。現在は「エンジニアリングで地球と社会のサステナビリティに貢献する」を企業ミッションに掲げ、脱炭素化や環境負荷低減を意識したソリューション提供を強化している。