・浮選技術革新とフローシート開発を加速
メッツォ(Metso):2025年10月8日
ヘルシンキ発 フィンランドの鉱山機械大手メッツォは10月8日、同国ポリ市にある研究センター内に最新鋭の分離実験室とパイロットエリアを新設したと発表した。世界の鉱物産業向けに、高度な浮選および選鉱ソリューションを開発するパートナーとしての戦略を強化する。
メッツォの浮選担当バイスプレジデント、アンティ・リンネ(Antti Rinne)氏は「選鉱と分析ラボを完全統合したことで、最高水準を維持しながら、より大量の試験に対応できる」と述べた。
■粗粒子浮選セルを2026年に市場投入
ポリ研究センターにおける最新開発成果として、新型の粗粒子浮選セル(CPF: Coarse Particle Flotation)が注目される。流動床を不要とする革新的な深層フロス空気式設計を採用しており、産業規模での試験を経て2026年に市場投入予定。
同研究センターでは、これまでにコンコルド・セル(Concorde Cell)やフロートフォース®+(FloatForce®+)などのメッツォ・プラス(Metso Plus)浮選技術が検証され、市場投入されてきた。フロートフォース+(FloatForce+)は、タンクセル®(TankCell®)浮選機向けローター・ステーターシステムで、前世代の特性を維持しながら浮選性能の新基準を確立している。一方、コンコルド・セル(Concorde Cell)は高強度空気式浮選機で、従来は回収不可能だった微粒子・超微粒子を選択的に浮選できる。
■約180名の専門家を擁する研究拠点
ポリ研究センター(Pori Research Center)は、メッツォの研究・製品開発拠点の一つで、鉱物処理、湿式製錬、電池材料プロセスソリューション、製錬技術に特化している。約180名の専門家と広範な実験室・パイロットプラント設備を擁し、プロセス開発、設備選定、最適化のための独自の試験能力を提供。鉱物学的・化学的分析サービスや材料研究も手掛ける。
メッツォは世界各地に研究インフラを展開し、ベンチスケールからパイロットスケールまでの試験、プロセスシミュレーション、鉱業・骨材・冶金プロセス全体の最適化を支援している。
同社は約50カ国で約17,000名の従業員を擁し、2024年の売上高は約49億ユーロ。ナスダック・ヘルシンキ(Nasdaq Helsinki)に上場している。