・欧州拠点の再編で技術開発体制を強化
TOYO TIRE(兵庫県伊丹市)は10月2日、セルビア共和国インジヤ市の自社工場敷地内に新たな研究開発(R&D)施設棟を建設し、「セルビアR&Dセンター」として2027年1月に稼働させると発表した。欧州における既存のドイツR&D機能を2026年中に移管し、欧州拠点の再編とともにグローバルR&D体制の一層の強化を図る。
自動車用タイヤには、燃費・電費性能や安全性、経済性、耐久性など多様な要求が高まっており、転がり抵抗やウェット性能、スノー性能、軽量化、耐摩耗性など相反する特性の両立が課題となっている。同社では中期経営計画「中計’21」で掲げた「高機能設計力」「顧客志向商品力」「次世代技術開発力」の3分野を軸に、技術の研鑽を重ねてきた。
新設するセルビアR&Dセンターでは、とくに「加工技術」の強化を重点テーマに位置づけ、新配合・新素材の開発や混合技術の高度化を推進。製品性能の向上と同時に生産性の改善を目指す。また、敷地内に整備されたテストコースを活用し、開発段階での実車試験を即時に実施できる体制を構築することで、開発サイクルの短縮と商品化スピードの向上を図る。
同社は、セルビアR&Dセンターで培った技術をグローバル生産拠点に展開し、TOYO TIRESブランド製品の価値向上と国際競争力の強化につなげる考え。
<セルビアR&Dセンター概要>
所在地:セルビア共和国ヴォイヴォディナ自治州インジヤ市(TOYO TIREセルビア工場内)
建屋面積:約4,600㎡
主な機能:材料・配合設計、加工技術開発、原材料調査・評価、情報収集 ほか
稼働開始:2027年1月予定