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日立建機、リオ・ティントと超大型油圧ショベルの遠隔操作技術開発で協業へ

・半自動運転・自律化を視野に、次世代鉱山運営技術を共同開発

日立建機は10月8日、資源大手リオ・ティントの技術開発子会社であるテクノロジカル リソースズ(Technological Resources Pty Limited、本社:オーストラリア・メルボルン)と、超大型油圧ショベルの遠隔操作技術開発に関する基本合意書を締結したと発表した。

両社は今後5年間、オペレータの運転支援や遠隔操作、掘削・積み込み作業の半自動運転といった分野で協業を進め、次世代の鉱山運営を支える基盤技術の開発を共同で推進する。

鉱山現場では24時間365日の安定操業が求められる中、安全性と生産性の両立が重要な課題となっている。今回の遠隔操作技術開発は、その解決に向けた大きな一歩と位置づけられている。

日立建機は遠隔操作や半自動運転技術の開発を担当し、リオ・ティントは西オーストラリア州ピルバラ地域の鉱山現場で、技術を搭載した超大型油圧ショベルによる実証作業を実施。稼働データの提供やフィードバックを通じ、実用化に向けた検証を行う。

半自動運転機能では、オペレータが掘削開始位置とダンプトラックへの積み込み位置をシステムに指示することで、その後の掘削・積み込み動作を自動で繰り返すことが可能になる。日立建機は2030年までに、この機能を備えた複数台の超大型油圧ショベルが稼働できる拡張性のあるプラットフォーム構築を目指す。

両社はこれまでも、超大型油圧ショベルの構造耐久性評価や運転支援技術の共同検証などで協業を重ねてきた。今回の合意は、これまでの連携を発展させ、自律運転技術の実用化に向けた中長期的ロードマップの一環と位置づけられている。今後も多様な現場条件下での試験を通じ、汎用性の高い鉱山機械技術の確立を目指す。

日立建機執行役 マイニングビジネスユニット副ビジネスユニット長の兼澤寛氏は、「日立建機グループは1970年代後半の鉱山機械事業参入以来、超大型油圧ショベルの技術革新をリードしてきた。リオ・ティントとオープンに連携することで、汎用性の高い自動運転技術の開発を加速できると確信している」とコメントしている。

■日立建機について
日立建機は、油圧ショベルやホイールローダ、道路機械、鉱山機械などを開発・製造・販売する総合建設機械メーカー。新車販売に加え、部品・サービス、再生(部品・本体)、レンタル、中古車を含む「バリューチェーン事業」を拡大し、顧客と共に成長するソリューションプロバイダーを目指している。2024年度(2025年3月期)連結売上収益は1兆3,713億円、海外売上比率は84%。グループ従業員数は約2万6,000人。

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