kikai-news.net

三菱重工サーマル、90℃対応の排熱回収ヒートポンプ「ETI-W」国内投入

・高温水供給・最大640kW対応で、産業プロセスの脱ボイラー化を加速

三菱重工グループの三菱重工サーマルシステムズ(東京都千代田区)は10月3日、排熱回収型温水ヒートポンプの新製品「ETI-W」を日本市場向けに発売したと発表した。温水出口温度は最高90℃、加熱能力は最大640kWに達し、従来ボイラーが担っていた高温水供給領域へのヒートポンプ適用を可能にする。

■高温・大容量・高効率を両立

「ETI-W」は、工場などで発生する未利用熱を熱源水として活用し、90℃の温水供給を実現。加熱時COPは4.01と高効率を誇り、電子部品、自動車、食品、化学、医薬品などの製造プロセスに加え、商業施設や宿泊施設の暖房・給湯用途にも対応する。

圧縮機には、同社のターボ冷凍機で実績豊富な遠心式を採用。冷媒特性と高圧縮比に最適化された設計により、安定した高温出力を確保する。熱交換器には「ETI-Z」シリーズと同様、シェル&チューブ方式を採用し、コンパクトながら高性能を実現。インバータ起動盤も本体に内蔵し、設置性にも配慮されている。

■環境性能にも配慮

冷媒には、地球温暖化係数(GWP)1でオゾン層破壊係数ゼロの「HFO-1233zd(E)」を採用。ノンフロン扱いで環境負荷を低減しつつ、高効率運転を可能にしている。

■多様な温水ニーズに対応する製品群

「ETI-W」は、既存の「ETI-Z」(最高45℃)や「JHT-Y」(最高50℃)と並び、三菱重工サーマルシステムズの温水ヒートポンプラインアップを拡充。小容量から大容量まで、温水供給温度域の選択肢を広げ、ユーザーの多様なニーズに応える。

■カーボンニュートラル社会への貢献

三菱重工グループは2040年のカーボンニュートラル達成を掲げており、同社もターボ冷凍機や熱ソリューション製品の提供を通じて、顧客のCO₂排出量削減に貢献している。今回の「ETI-W」投入は、産業界の脱炭素化とエネルギー効率向上に向けた一歩となる。

ニュースリリース

モバイルバージョンを終了