kikai-news.net

ヤンマーとソニー、水中センシング技術で合弁会社設立

・船底洗浄ROV開発に着手、海洋環境保全と省人化を両立

ヤンマーホールディングスソニーグループは10月6日、水中センシング技術の開発と社会実装を目的とした合弁会社「ヤンマーブルーテック株式会社」を9月8日付で設立し、10月1日より事業を開始したと発表した。資本金は3億8,830万円で、ヤンマーホールディングスが90%、ソニーが10%を出資する。

本合弁会社は、海洋生態系の保全や海洋インフラ点検における人手不足など、海洋の持続可能性に関する課題解決に向けて、両社の技術を融合した新たなソリューションの創出を目指す。代表取締役には、ヤンマーホールディングスから不破一郎氏が就任した。

第一弾は船底洗浄ROVの高度化
第一弾プロジェクトとして、ROV(遠隔操縦無人潜水艇)の高度化と実用化に取り組む。近年、国際海事機関(IMO)による環境規制の強化により、船体付着生物への対処が厳格化されている。現在は主にダイバーによる洗浄作業が行われているが、人手不足や安全確保が課題となっている。

ヤンマーグループは、高圧水噴射式で業界最高クラスの洗浄速度を実現する船底洗浄ROVや、マイクロメートル単位でデブリ(付着生物など)をろ過回収できる装置を開発中だ。これにソニーのグローバルシャッター方式イメージセンサー、海中環境に適応した画像処理技術、リアルタイム自己位置推定技術などを組み合わせることで、水中映像の鮮明化や3Dデータ化を実現し、従来よりも高効率なROV運用を目指す。

■両社の技術と知見を融合

ヤンマーホールディングスの道上英二取締役技術本部長(CTO)は「ROVの高度化と実用化に寄与する技術開発は、顧客から期待の声を多く頂戴しており、様々な海洋課題の解決に大きな意義を持つ。
テクノロジーを通じて海洋環境保全と持続可能な産業の発展に貢献したい」とコメント。

ソニーグループの御供俊元代表執行役CSOは「イメージセンサーや3次元空間センシングなどの技術の社会実装を推進する。パートナーとの共創を通じて、テクノロジーの可能性を広げ、地球や社会の課題解決への貢献を目指す」と述べた。

船底洗浄作業の効率化により、人に依らない安全かつ安定した運用が可能となり、船舶運航に伴う温室効果ガス排出削減と海洋生態系保全の両立が期待される。

<会社概要>
• 社名: ヤンマーブルーテック株式会社
• 本社: 大阪府大阪市北区茶屋町1-32
• 設立: 2025年9月8日
• 事業内容: 水中センシング・ロボティクス技術の開発および社会実装​​​​​​​​​​​​​​​​

ニュースリリース

モバイルバージョンを終了