・農業機械の枠を超えたスマート農業ソリューションで収益性向上を支援
AGCO :2025年9月25日
同社CEOのエリック・ハンソティア(Eric Hansotia)氏は、「農業従事者は、現在の運用に適合し、将来に向けて拡張可能な技術を求めている」と述べ、AGCOが提供する高性能機械と、後付け・工場装着型の精密農業技術が、ブランドや製造年を問わず多様な機械群に統合可能である点を強調した。
■展示された主な技術とソリューション:
- デジタル農場管理:「PTx FarmENGAGE」は、複数ブランドの機械を一括管理できる業界初の統合プラットフォームとして注目を集めた。
- 自動施肥・耕うん:「PTx Trimble Outrun」技術を搭載したFendt 900 Varioトラクター2台による自動化実演が行われ、収穫期の穀物搬送に加え、施肥・耕うんへの応用が紹介された。競合機種にも対応可能な後付けキットにより、労働力不足への対応と作業効率の向上が期待される。
- 収穫支援:IDEALharvest、HarvestPlus、TI Headland Turn AssistなどのAI制御技術が、収穫作業の自動化と最適化を実現。
- 雑草管理:AIによる選択的散布技術「SymphonyVision」は、最大70%の薬剤使用削減を可能にし、機械除草支援システム「RowPilot」と併せて、作物へのダメージを最小限に抑える精密な雑草対策を提供。
- 自動播種:20|20 SeedSense、vSet、vDriveなどの播種支援技術が、種子の深さ・配置の均一化とリアルタイムの問題検出・修正を可能にし、作業者の介入を最小限に抑える。
AGCOは、Fendt、Massey Ferguson、Valtra、Precision Planting、PTxといった主要ブランドを通じて、これらの技術を既に商用展開しており、今後も順次市場投入を予定している。
ハンソティア氏は、「ブランドを問わず、すべての農業従事者に最適なソリューションを提供する」という“Farmer-First”の理念のもと、2029年までに精密農業分野で20億ドルの売上達成を目指すと語った。
なお、Tech Day初日には、AGCOの精密農業戦略に関するプレゼンテーションも実施され、同社IRサイトにてライブ配信および12ヶ月間のアーカイブ公開が行われる。
■AGCOについて
AGCOは、Fendt®、Massey Ferguson®、PTx、Valtra®などのブランドを擁し、農業機械およびスマート農業ソリューションを世界中の農家に提供。1990年創業、米国ジョージア州ダルースに本社を置き、2024年の売上高は約117億ドル。