kikai-news.net

米カミンズのアクセレラ、ドイツで水素製造用5MW電解装置を供給

・タイツカ・ハイドロジェンと提携、バイエルン州でグリーン水素拠点を構築

カミンズ(Cummins):2025年9月26日

米カミンズ(Cummins)のゼロエミッション事業部門「アクセレラ(Accelera by Cummins)」は9月26日、欧州の水素専門企業タイツカ・ハイドロジェン(Tyczka Hydrogen GmbH)と提携し、ドイツ・バイエルン州シュヴァインフルト港に5MWのPEM(プロトン交換膜)型電解装置を導入すると発表した。再生可能エネルギーを利用し、1日最大2.2トンのグリーン水素を生産、中央ドイツにおけるモビリティ、産業、研究分野の脱炭素化を支援する。

アクセレラの電解装置事業ゼネラルマネジャー、デス・マクメナミン氏は「この戦略的拠点で実績あるHyLYZER技術を展開することで、水素の地域バリューチェーン形成を後押しし、ゼロエミッション輸送と産業への移行を加速する」と述べた。

また、タイツカ・ハイドロジェンの技術・エンジニアリング部門責任者、ユルゲン・シュミット氏は「電解装置はバイエルン州の水素ハブにおける重要な生産設備であり、性能が成功の鍵となる。アクセレラは安全性、品質、可用性、効率性を高水準で実現できるパートナーだと確信している」とコメントした。

■プロジェクト概要
・技術仕様:アクセレラ製HyLYZER® 500電解装置2基を導入し、合計5MWの能力で日量最大2.2トンのグリーン水素を製造。用途はモビリティ、産業、研究開発向け。
・再生可能エネルギー:太陽光・風力発電を活用し、ゼロエミッション水素を供給。
・設置場所:バイエルン州シュヴァインフルト港。高速道路網や産業インフラに直結し、南北を結ぶ直流送電網「SüdLink」への接続も確保。
・環境効果:年間6,000トン超のCO₂排出削減を見込み、乗用車約1,400台分の排出量削減に相当。
・政府支援:バイエルン州経済省の電解装置助成プログラムにより500万ユーロの補助金を獲得。州政府の水素インフラ・クリーンエネルギー支援姿勢を示すもの。

■背景
水素製造に再生可能電力を活用する電解装置は、脱炭素社会実現に不可欠な「グリーン水素」を供給する技術。アクセレラはPEM電解の大規模商用化における先行企業で、世界で600基以上の装置を展開しており、カナダ・ケベック州の20MW設備や米ニューヨーク州の35MW設備などを稼働させている。

今回のバイエルン州プロジェクトは、欧州の水素経済拡大と地域バリューチェーン構築を後押しする拠点として注目される。

■会社概要
◇タイツカ・ハイドロジェン(Tyczka Hydrogen GmbH)
欧州の水素事業に特化した企業で、製造、輸送、供給までを一貫して展開。水素トレーラーフリートや供給ネットワークを強みとし、バイエルン州を中心にグリーン水素の普及を推進している。

◇アクセレラ・バイ・カミンズ(Accelera by Cummins)
米カミンズのゼロエミッション事業部門として、バッテリー、電動アクスル、トラクションシステム、統合パワートレイン、水素燃料電池、電解装置を展開。北米、欧州、中国で事業を運営し、世界の主要産業の持続可能化を支援している。
親会社のカミンズ(Cummins Inc.)は米インディアナ州コロンバスに本社を置き、約69,900人の従業員を擁するグローバル企業。2024年の売上高は341億ドル、純利益は39億ドル。190以上の国と地域で事業を展開している。

ニュースリリース

モバイルバージョンを終了