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テーブルマーク、香川県に83億円投資で冷凍うどん新工場建設

・生産体制再編により国内外市場拡大に対応、グループ5社を直営化

・冷凍食品業界に大きな動き

冷凍食品大手のテーブルマーク(東京都中央区)は9月26日、香川県観音寺市に冷凍うどんの新工場を建設すると発表した。投資額は83億円で、2027年10月の稼働開始を予定している。同時に、製造機能を有するグループ会社5社を吸収合併により直営体制に移行するなど、大規模な生産体制再編を実施する。

■AI・IoT活用でスマート工場化

新工場は旧テーブルマーク本社工場跡地を活用して建設される。AIやIoTなどのデジタル技術を活用した自動化システムを導入し、高い生産効率と省人化を実現する計画。また、再生可能エネルギーの活用や省エネ設備の導入により、温室効果ガス排出量の削減を図り、環境に配慮した持続可能な生産体制を構築する。

同社は冷凍うどんの国内外での中長期的な市場伸長を成長機会と捉え、生産能力の強化を目的として新工場建設を決定した。特に、冷凍食品のおいしさや利便性の再評価を背景とした国内需要の拡大と、日本食への関心の高まりによる海外市場での成長期待が投資の背景にある。

■綾上工場は閉場、グループ再編も

新工場建設に伴い、香川県綾歌郡綾川町にあるテーブルマーク綾上工場は2027年9月に閉場予定。同工場は1991年10月から稼働しており、現在86名の従業員が勤務している。製品は新工場を含む他工場への移管が進められる。

また、生産性向上とグループ経営の一体的推進を目的に、製造機能を担う5社(サンバーグ、光陽、加ト吉水産、一品香食品、日本食材加工)を2027年1月に直営工場化する。これにより間接業務の集約によるグループ全体の効率的運営やガバナンスの強化を図る。

物流・製造機能を有するフードレックは物流事業に特化し、2026年12月にパックごはんの製造を停止する予定。

■人手不足対応が急務

同社は、国内人口減少に伴う人手不足の深刻化を背景に、持続可能な事業運営に向けた対応が急務となっていることを説明。今回の再編により、価値ある商品を持続的に届けられる体制を構築するとしている。

テーブルマークグループは「食事をうれしく、食卓をたのしく。」をパーパスとして掲げ、冷凍うどんを基幹商品として展開してきた。今回の大規模投資と体制再編により、変動的な事業環境下でも競争力を維持・強化し、国内外市場でのシェア拡大を目指す。

■計画概要

<新工場建設計画>

<閉場工場>

<直営化対象グループ会社(5社)>

  1. サンバーグ株式会社(茨城県)- 冷凍ベーカリー製造
  2. 株式会社光陽(愛知県)- 冷凍うどん・ラーメン製造
  3. 加ト吉水産株式会社(香川県)- 冷凍お好み焼・たこ焼製造
  4. 一品香食品株式会社(福岡県)- 冷凍うどん・餃子製造
  5. 日本食材加工株式会社(宮崎県)- 冷凍デザート・食肉加工品製造

<主要スケジュール>

ニュースリリース

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