・BMTJVとの5年にわたる技術協業が結実
ABB :2025年9月23日
■深部採掘への対応と設備寿命の延伸
レニソン鉱山では採掘深度の増加に伴い、1990年代に導入された既存巻揚機の更新が急務となっていた。ABBは、既設の巻揚機室のスペース制約を克服する革新的なレイアウトを採用。既存のスイッチルームへの新機器のレトロフィットに加え、制御・安全システム用の地上設置型新ルームを導入する。
■デジタル統合制御とエネルギー効率の両立
近年、鉱業の生産コストは世界的に約30%上昇しており、効率的な搬送手段の確保が課題となっている。ABBは、ダウンタイムの削減と保守性向上を図るデジタル統合型制御システムを提供。従来のトラック搬送と比較して、エネルギー効率に優れた持続可能な深部搬送ソリューションを実現する。
BMTJVのCOOであるマーク・レックリーズ(Mark Recklies)氏は「ABBとの協業により、次世代の鉱物生産に向けた安全かつ高可用性なインフラ整備が可能となる」と述べた。
ABBオーストラリアの巻揚機担当セールスエンジニア、ブライアン・マクドナルド(Brian McDonald )氏は「本プロジェクトは5年にわたる技術協業の成果。安全性・性能・持続可能性のバランスを追求したスマートなソリューションで、鉱山の未来を支える」と語る。
■SIL3認証の最新安全制御プラットフォームを導入
2025年第1四半期に着工した本プロジェクトでは、ABBの最新「Safety Plus」巻揚機制御プラットフォーム(SIL3認証取得)を導入。DCコンバータ、ブレーキスタンド、油圧電源装置、シャフト通信システム、エンジニアリングおよび試運転サービス一式が提供される。完工は2026年を予定。
ABBは今後もBMTJVとの連携を通じて、プロジェクト進捗を継続的に発信していく方針。