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米ムーグ、衛星・ミサイル推進システム需要増に対応

・ナイアガラフォールズに新クリーンルーム建設開始、生産能力80%以上向上へ

ムーグ社(Moog Inc.):2025年9月22日

ニューヨーク州イーストオーロラ発、高精度モーション・流体制御システムの世界的メーカーであるムーグ社は、ナイアガラフォールズ(Niagara Falls)工場に新設するクリーンルームの起工式を実施したと発表した。宇宙・防衛分野顧客向けの衛星・ミサイル推進コンポーネントおよびシステムの需要拡大に対応する狙いだ。

■生産能力大幅拡張で市場需要に対応

今回の建設により、ナイアガラフォールズ工場のクリーンルーム生産能力は80%以上増強される。これは、自由の守護者と宇宙探査者を支援してきた同社75年の歴史における重要なマイルストーンとなる。

新施設では、衛星コンステレーション、地球観測ミッション、国家安全保障衛星、打ち上げロケット、ミサイル向けの単推進剤、二推進剤、グリーン推進剤、マルチモード推進ソリューションの生産を支援する。

■多シフト体制で生産効率を大幅改善

クリーンルームの多シフト運用により生産能力が大幅に向上し、同社主力のMONARC単推進剤エンジンライン、推進システム、機密プロジェクトなどの主要技術において、より効率的な生産と納期短縮を実現する。各製品は専用生産セルでサポートされる体制を整える。

この成長を支えるため、ナイアガラフォールズチームは製造部門およびエンジニアリング部門で数十名の新規採用を実施。革新性と運用excellence に対する同社のコミットメントを強化している。

■市場需要の先行きを見据えた戦略投資

宇宙内推進事業部門のゼネラルマネージャーであるマイク・ポパディック(Mike Popadick)氏は「この新クリーンルームは、市場で見られる需要拡大に先行して推進生産能力を継続拡張し、さらなる運用効率化を推進するための基盤となる。宇宙探査の境界を押し広げ、国家安全保障を進歩させる顧客を支援する、信頼性の高い高性能ソリューションの提供が我々の継続的なコミットメントだ」と述べた。

■2026年夏完成予定、独自の試験能力も強化

建設工事は予定通り進行し、2026年夏の完成を目指している。この完成により、米国内でも数少ない4基の社内高高度ホットファイア試験チャンバーを備えるナイアガラフォールズ工場の独自能力がさらに強化される。

同社の推進技術は太陽系のすべての惑星への宇宙ミッションを支援してきた実績があり、革新性と信頼性の遺産を物語っている。

■ ムーグ社(Moog Inc.)について
Moog Inc.は、高精度モーション・流体制御および制御システムの世界的な設計・製造・システム統合企業。同社の高性能システムは、軍用・民間航空機、衛星・宇宙機、打ち上げロケット、防衛システム、ミサイル、産業自動化機械、海洋・医療機器の制御に使用されている。

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