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ボッシュ・レックスロス、農業機械の電動化を加速する「eLION」制御プラットフォームを拡充

・高電圧対応モータEMP1シリーズを新たに投入、同一スペースで最大50%の出力向上

ボッシュ・レックスロス(Bosch Rexroth):2025年9月25日

ローア・アム・マイン(ドイツ)発、ボッシュ・レックスロスは、農業機械をはじめとするオフハイウェイ車両の電動化を支援する制御プラットフォーム「eLION」のソフトウェアポートフォリオを拡充した。新たに高電圧モータ「EMP1」シリーズを追加し、同一設置スペースで最大50%の出力向上を実現。96Vから高電圧領域まで、あらゆる電圧クラスに対応するスケーラブルなソリューションとして、OEMの開発負荷軽減と市場投入の迅速化を図る。

■電動化に必要な機能を標準化・統合

「eLION Power and Motion Control Platform」は、電力管理用のEPC(Electric Power Control)、駆動系制御のEDA(Electric Drive Application)、作業機能制御のPDC(Pump Drive Control)という3つのアプリケーションソフトウェアで構成される。これらはインバータ、モータ、ポンプと連携し、エネルギー効率と静音性を両立した作業機能を実現する。

EPCはバッテリーや熱管理システムと標準インターフェースで通信し、車両の機能性と稼働率を最適化。安全面では、インターロック回路の監視や絶縁モニタの統合により、EN ISO 13849、ISO 19014-4、ISO 25119といった機能安全規格にも準拠している。

■駆動系に“慣れた操作感”を再現

EDAは加速ペダルによる速度・トルク・出力制御に対応し、OEMの要望に応じて油圧駆動に近い操作感の再現も可能。安全モニタ機能により、安全関連機能とその他の機能を分離し、標準機能の開発工数を削減できる。EDAパッケージはテスト・検証用として提供され、柔軟なモジュール構成によりOEM独自の調整も容易だ。

■高電圧モータEMP1で電動化の可能性拡大

新たに追加された高電圧モータ「EMP1」シリーズは、5種類の長さで構成され、連続出力30〜175kWをカバー。全回転域で高効率・高性能を維持し、ポンプ駆動・駆動系・発電用途に対応するスケーラブルなモータプラットフォームとして展開される。高い出力密度により、牽引力の向上とギア比の低減を可能にする。

■長時間稼働に貢献するエネルギー効率

電動化された農業機械においては、バッテリー1回の充電で可能な限り長時間稼働することが求められる。eLIONのソフトウェアと高電圧モータの組み合わせにより、エネルギー消費を抑え、部品コストの低減と稼働時間の延長を両立。限られた作業時間内で充電中断なく作業を完了するための有力な選択肢となる。

なお、同プラットフォームは「Agritechnica System & Components Trophy 2025」の最終候補にも選出されている。

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