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ボッシュ・レックスロス、次世代電子制御油圧システム「ELS」を発表

・作業機主導型デジタル油圧制御で農業機械の生産性・省エネ性を向上

ボッシュ・レックスロス(Bosch Rexroth):2025年9月25日

ローア・アム・マイン(ドイツ)発、ボッシュ・レックスロスは、トラクタ向け油圧システムの次世代ソリューションとして、電子制御型の「Electronic Load Sensing(ELS)」を発表した。新システムは、各作業機が必要とする油圧パラメータをデジタル通信で伝達することにより、従来の油圧制御に比べて操作性、作業自動化、省エネ性を大幅に向上させるものである。

従来は作業機からトラクタ側油圧系統へパイロットラインを経由して負荷情報を伝達していたが、ELSでは作業機ごとに圧力・流量・応答時間などの要求値をデジタルで制御ユニットに伝送。制御ソフトにより電子制御可変ピストンポンプ(eOC-P)が要求値通りに駆動することで、各アタッチメントが最適な油圧条件を自ら決定できるようになった。

一方、同社ではポンプの設定をハードウェアからソフトウェアへ移行させることで、設計短縮や設置スペース低減などメーカー側の工程効率化を実現。加えて、TIM(Tractor Implement Management)規格対応アタッチメントを活用することで、ベール作業における直径や重量の自動制御や、搬出時の自動停止など、高度な自動運転も可能となる。

また、eOCシステムは配管ロスの自動補正やスタンバイ圧力の調整が可能で、運転時の動力損失や騒音も低減。全ての圧力信号はデジタル処理されポンプに伝達される。2023年に買収した米ハイドラフォース(Hydraforce)のコンパクトバルブも組み合わせ、システム全体の高効率・省スペース化を実現する。

新アーキテクチャでは遠隔からのポンプ設定変更も可能となり、農機メーカーにとって保守・運用負荷の低減や診断業務の効率化にも資する。油圧カートリッジバルブ、マニホールド、電子制御ユニットおよびソフトウェアに至るまで、同社はトラクタ油圧分野の総合的なモーションコントロール・プラットフォームを構築していく構えである。

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