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加藤製作所、旧晴海鉄道橋に昭和33年製機関車の展示実現

・産業遺産の保存・活用で地域振興に貢献

加藤製作所は9月22日、東京都港湾局が遊歩道として一般公開した旧晴海鉄道橋の豊洲側入口付近に、同社が1958年に製造した機関車(D25-3)の解説パネルと銘板レプリカの展示を開始したと発表した。高度経済成長期の物流を支えた産業遺産としての価値を後世に伝える取り組みとなっている。

旧晴海鉄道橋は1957年に完成した臨港鉄道港湾局専用線晴海線の一部で、都心部の貨物輸送の要衝として機能していた。1989年の鉄道路線廃止後は長期間立入禁止となっていたが、今回の事業により海上公園の一部として保存・活用されることとなった。

加藤製作所によると、展示された機関車は同社が1958年に製造したもので、かつて同橋で貨物輸送に従事していた車両。同社の産業機械製造技術の歴史を物語る貴重な資料として位置づけられている。解説パネルでは機関車の仕様や歴史を図解とともに分かりやすく紹介しており、産業技術史に関心を持つ見学者にとって貴重な学習機会を提供している。

加藤製作所は1895年創立、1935年設立の老舗産業機械メーカーで、建設用クレーンや油圧ショベルなどの製造・販売を主力事業としている。同社にとって今回の展示は、自社の技術史を広く一般に紹介する機会となるとともに、産業遺産の保存・活用という社会的意義のある取り組みへの参画としても注目される。

旧晴海鉄道橋の遊歩道化は、産業遺産を活用した地域振興の成功事例として、他の自治体からも関心を集めている。歴史的構造物の保存と現代的活用を両立させた今回の取り組みは、産業技術史の継承と観光資源化の新たなモデルケースとして評価されそうだ。

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