・電動化・自動運転で次世代鉱山像を提示
三一(SANY):2025年9月11日
■海外販売急伸、電動化製品が牽引
開会挨拶で三一重工のチー・ジエン(Qi Jian)氏は、同社鉱山機械事業のグローバル展開を振り返り、重機事業部が近年70%の年平均成長率で海外販売を拡大、中国メーカーとして鉱山用ダンプの最大輸出企業に成長したと紹介。「この成果は世界の顧客の支援なくしてあり得なかった」と述べ、引き続き「品質が世界を変える」の理念を掲げて価値創造に取り組む姿勢を強調した。
リー・チン(Li Qin)氏は基調講演で、鉱山機械の価値フレーム「GREAT(Green Pioneer、Reliable、Efficient、Autonomous、Safety)」を提示。2024年の鉱山機械売上が32億ドルに達し、特に電動製品が好調だったと明らかにした。また「鉱山+再生可能エネルギー+電動機械」を組み合わせた独自の統合モデルを紹介し、風力・太陽光・水素・蓄電を組み合わせたマイクログリッドにより、コストと排出削減を同時に実現できると強調した。
■新型トラック公開と協業拡大
サミットでは、新型のハイブリッド鉱山トラック「SKT130S」と電動鉱山トラック「SET150S」が世界初公開された。発表はディン・ヤオジュン(Ding Yaojun)氏とツァオ・テ(Cao Te)氏によって行われた。併せて13社との戦略的協力契約も締結された。
中東市場向けには鉱山用アーティキュレートダンプ「SAT40C」の納入式を実施。さらにアフリカ鉱山でのマイクログリッド事業の引き渡しも報告された。再生可能エネルギーを活用した鉱山向け電力供給で、業界の脱炭素移行を後押しする。
■自動運転トラック実演
閉幕に際し、自動運転化された「SKT130Hi」鉱山トラックによる実演走行が披露された。積み込み、運搬、排土といったサイクルを自社開発のシステムで再現し、省力と安全性をアピールした。発表は三一智能鉱業(SANY Smart Mining)董事長のホワン・シエンフイ(Huang Xianhui)氏が行った。
同社はすでに中国国内で230台超の自動運転車両を商用稼働させており、運用効率は従来比105%超に達する実績を持つ。
参加者はサミット前に昆山のグローバル研究開発センターやスマート工場を視察し、同社の先端的な生産体制を体験。三一は電動機械から再生エネルギー、スマート運営まで一貫したソリューションを展開できる総合力を示し、グローバル顧客との信頼深化を図った。
■計画概要
・世界300人超の業界関係者が参加
・鉱山車両海外販売が年平均70%
成長
・2024年の鉱山機械売上は32億ド
ル
・ハイブリッド車「SKT130S」と
電動車「SET150S」を世界初公
開
・中東でSAT40C納入、アフリカでマイクログリッド稼働
・中国国内で自動運転車両230台稼働、効率105%超