オフ・ハイウェイ・リサーチ(Off-Highway Research ):2025年9月12日
中国の高所作業車(パワード・アクセス・プラットフォーム)市場は、過去10年間で急拡大し、2014年の新規販売台数約8,600台から2024年には13万8,900台にまで成長した。しかし、2024年には前年比21%減と急落し、同市場は初の繁栄サイクルを終える局面を迎えた。
調査会社オフ・ハイウェイ・リサーチ(Off-Highway Research)によれば、この減速は中国経済の成長鈍化に加え、不動産市場の崩壊による建設需要の急減が主因とされる。特に中国ではレンタル会社が保有台数の95%以上を占め、全体で約3,000社に分布。その中で宏信建発、海南華鉄、衆能聯合の3大企業が市場シェアの60%超を握る構造となっている。
製品別では、かつて9割を占めた剪叉式(シザーリフト)のシェアが低下し、直臂式(直伸ブーム)が存在感を高める一方、曲臂式(屈伸ブーム)は未だ普及途上とされる。現在の保有台数は82万台超と推定され、その約8割をシザーリフトが占める。大量供給の結果、レンタル料金の下落と平均機齢の若さ(約9割が導入5年以内)が顕著で、メーカーの販売先確保が課題となっている。
オフ・ハイウェイ・リサーチは、同市場が2026~27年に年間7万5,000台規模で底打ちすると予測しており、ピークの55%水準に留まる見通しだ。ただし、臂式機種の普及や電動化シフトが新たな成長機会とされる。現在すでに販売機の95%が電動機種だが、大型臂式やオフロードタイプへの適用拡大が期待される。また、国内市場の供給過多を背景に輸出戦略の重要性が高まっているが、貿易摩擦や関税リスクも指摘される。
今回発表された130ページの詳細調査報告書には、製品別市場分析、メーカー別生産・部品調達、輸出入動向、価格帯、レンタル企業のプロファイルなどが収録され、中国市場の今後の戦略立案に不可欠な資料として位置付けられている。