メッツォ(Metso、本社フィンランド・エスポー)は9月16日、オーストラリアのQ&Rインダストリアルホース(Q&R Industrial Hoses)を買収する契約を締結したと発表した。Q&Rはピンチバルブ用スリーブ、ゴムホース、ゴム製品やライニングの製造に特化する非公開企業。
今回の買収は、メッツォが鉱業・鉱物処理分野におけるスラリー搬送ソリューションの提供を強化する取り組みの一環で、2024年に実施した豪州Jindex社(バルブ・プロセス制御関連)の買収に続くものとなる。
メッツォのバルブ・ホース事業ディレクター、クリスチャン・トゥルルソン氏は「Q&Rは当社にとって重要なゴム部品の製造パートナーであった。今回の買収により、スラリーホースやピンチバルブ用スリーブの製造を内製化し、製品ラインアップとサービス力をさらに高める。鉱業・鉱物分野の顧客に対し、より堅牢で信頼性の高いソリューションを提供できる」とコメントした。
一方、Q&Rのゼネラルマネージャーでオーナーのブレット・ロビンソン氏は「メッツォとの提携は新たな章の始まりである。当社の特殊スイベルホース製造の専門性は、メッツォのスラリー搬送ソリューションを補完するだろう。今後、鉱業・鉱物分野の顧客に革新的かつ顧客志向のソリューションを届けていきたい」と述べた。
買収手続きは2025年第4四半期中に完了予定。取引金額は非公表だが、メッツォの財務への影響は軽微とされる。
メッツォはスラリー搬送に関する包括的な設備・部品供給から最適化・保守サービスまでを展開。スラリーポンプ、パイプ、ホース、バルブ、ハイドロサイクロンなどを提供し、近年はグローバルな供給網を整備、主要鉱業市場近接地に製造・サービス拠点を展開している。
■Q&Rインダストリアルホースについて
1976年設立。オーストラリア最古の地元資本によるホースメーカーで、カスタムゴムホース、伸縮継手、ピンチバルブを世界市場に供給。シドニーに製造拠点を持ち、従業員数は22名。
■メッツォについて
メッツォは骨材、鉱物処理、金属精錬産業向けに持続可能技術とトータルソリューションを提供する世界的企業。2024年の売上高は約49億ユーロ、従業員数は約1万7,000人。ナスダック・ヘルシンキに上場している。