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日独連携で水素サプライチェーン構築へ──川崎重工ら5社が覚書締結

水素の国際流通に向けた実証と社会実装が加速する。川崎重工業は9月15日、トヨタ自動車、関西電力、ダイムラートラック社(Daimler Truck AG)、ハンブルク自由港倉庫建築組合(HHLA)とともに、「日独連携水素サプライチェーン構築に向けた覚書(MoU)」を締結したと発表した。

この覚書は、経済産業省主催の「水素閣僚会議」の場で署名されたもので、日本とドイツ両国の水素需要を統合し、経済性の高い国際水素サプライチェーンの構築を目指す。港湾・物流、商用車、発電など多様な産業セクターにおける水素輸送の実用化と事業化を視野に入れた取り組み。

■2030年代に向けた段階的拡張と社会実装

川崎重工は、参画各社との連携を通じて、2030年代早期からの水素サプライチェーンの段階的拡張を計画。液化水素運搬船や受入基地などのインフラ整備を進めるとともに、日独両国における水素の社会実装を推進する。

また、今回の覚書は、日欧間の水素需要を結ぶ「あらたな水素回廊」の創出にもつながる。川崎重工はこの枠組みを活用し、水素関連事業の国際展開を加速。世界的なカーボンニュートラル目標の達成に向け、脱炭素社会の実現に貢献する。

■国際連携による水素エコシステムの構築

本プロジェクトは、国境を越えた産業連携による水素エコシステムの構築を象徴する取り組みであり、今後の水素輸送・供給モデルの標準化にも寄与する可能性がある。日本発の技術と欧州の物流インフラが融合することで、グローバルな水素流通網の形成が現実味を帯びてきた。

水素社会の実現に向けた国際プロジェクトとして、今後の進展が注目される。

ニュースリリース

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