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日立、米国で製造・イノベーションに10億ドル超投資を発表

・変圧器、鉄道車両など大規模投資で「ハーモナイズドソサイエティ」目指す

日立製作所は9月10日、米国における製造とイノベーションに対し、10億ドル(約1,480億円)以上を投じる大規模投資計画を発表した。同社は、先進的な製造技術、電力インフラ、デジタルソリューションを軸に、米国での事業拡大と地域経済への貢献を加速させる。

今回の投資は、日立のグローバル戦略と経営計画「Inspire 2027」の中核を成すものであり、環境・幸福・経済成長が調和する「ハーモナイズドソサイエティ」の実現を目指すものだ。この一連の投資によって、米国で数千人規模の雇用が創出される見込み。 

■主な投資計画の概要は以下の通り。

・電力インフラの強化
日立エナジーは、電力網インフラ製造拡大のため、10億ドルの歴史的な投資を行う。この中には、バージニア州に建設される国内最大級の電力変圧器施設に4億5,700万ドルを投じる計画や、テネシー州、ペンシルベニア州の既存施設の拡張も含まれる。これにより、AIデータセンターや再生可能エネルギーを支える電力網の強化が期待される。 

・鉄道車両の製造
メリーランド州ヘイガーズタウンでは、総額1億ドルのデジタル鉄道車両工場がすでに稼働を開始した。この工場は、カーボンニュートラルな運営を目指し、月産20両の車両を生産する能力を持つ。ワシントンD.C.圏やボルチモア、フィラデルフィアの地下鉄向けに次世代車両を供給する予定。 

・産業用オートメーション
日立グループ企業のJR Automation Technologiesは、ミシガン州ジーランドに7,280万ドルを投じ、グローバル本社を建設する計画を発表した。新本社は「Integrated Industry Automation」の拠点として、デジタルツイン技術やAIを活用した次世代製造システムを提供する。 

また、日立はワシントンD.C.で年次イベント「Hitachi Inspire Summit 2025」を開催し、95のグローバル企業から120名以上の代表者が参加した。AI時代におけるビジネス戦略や技術戦略について議論が交わされたほか、45を超える研究成果や事業部門のデモンストレーションも行われ、日立の技術的リーダーシップが示された。 

今回の投資について、日立製作所の徳永俊昭 執行役社長兼CEOは、「今回の投資は、日立グループ全体の広範な知見を結集させる『真のOne Hitachi』を体現するものだ」とコメント。米国経済の強化とイノベーションの加速を同時に実現する姿勢を強調した。

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