ボルボCE(Volvo Construction Equipment ):2025年9月9日
ドイツ南西部、ザール川とモーゼル川の合流点に位置するコンツ(Konz)は、風光明媚な自然に囲まれた町。その地に1897年に設立されたボルボCEのコンツ拠点は、同社欧州事業の中核拠点として広範な機能を担っている。
現在1,000人以上の従業員を擁する同拠点は、ホイール式油圧ショベルやコンパクトホイールローダ、電動建機、特注仕様機の開発・生産を手がけるほか、研究開発、試作・試験センター、調達部門、トレーニングおよびカスタマーサポートセンターを備える。また、製品性能を示すデモ・試乗エリアも併設されている。
また、従業員のキャリア開発機会も重視されており、経理や調達から技術部門、営業などへの異動を通じて幅広い視野を得る事例が増えている。近年では、パオロ・マンネージ(Paolo Mannesi)氏がオペレーションからグローバル製品担当、さらに電動化ソリューション営業へとキャリアを重ねたほか、アンドレアス・カゼル(Andreas Kasel)氏が調達部門から技術部門へ転じた。従業員が新しい分野に挑むことで、組織全体の活性化にもつながっている。
一方で、地域に根差した雇用の場であると同時に、エジプトやブラジルなど世界各国からの人材交流も進み、国際色豊かな職場文化を形成。地元出身のクリスティアン・フライシュマン(Christian Fleischmann)氏は、ブラジル・ペデレイラス拠点での6週間の勤務経験を「現地の知見をコンツに持ち帰れる貴重な機会」と振り返る。
エジプト出身のハーレド・アッタ(Khaled Atta)氏も購買部門のシニアバイヤーとしてコンツに加わり、「人や文化の多様性が信頼を築き、事業の持続可能性や成長に貢献している」と語る。
持続可能性や安全な職場環境づくりにも注力しており、「環境に配慮した取り組みと共に、社員の成長を支える環境がある」と現地従業員は口をそろえる。
<コンツ拠点概要>
・設立:1897年
・従業員:約1,000人
・主な生産品:ホイール式油圧ショベル、コンパクトホイールロー
ダ、電動機、特注仕様機
・付帯機能:研究開発、試験センタ一、調達、トレーニング・カスタマーサポートセンター、デモ・試乗エリア