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AGCO、スペインBRUC社と10年のバーチャルPPA契約を締結 、欧州再エネ供給を強化

AGCO :2025年9月8日

農業機械大手のAGCO(本社:米国ジョージア州ダルース)は9月8日、スペインの再生可能エネルギー大手BRUCと、10年間のバーチャル電力購入契約(VPPA)を締結したと発表した。今回の契約は、AGCOの再生可能エネルギー戦略における重要な節目となり、間接的に購入する電力に関連するスコープ2温室効果ガス排出量の削減に寄与する。

VPPAは、企業が風力発電や太陽光発電などの再エネプロジェクト開発を支援しながら、発電した電力を直接受け取らずとも長期的に再エネ調達を可能にする仕組み。AGCOは本契約により、サステナビリティ目標の推進、カーボンフットプリントの削減、再エネインフラ整備の後押しを狙う。

契約対象となるのは、スペイン北西部で計画されているBRUCの新規太陽光発電所(出力100MW)で、年間約2億kWhの再エネ電力を生み出す見込み。この電力の一部が、AGCOの欧州・中東地域における電力需要を大きくカバーする。建設開始は2025年後半、商業運転は2026年末を予定している。

AGCOのロジャー・バトキン上級副社長(法務担当兼CSO)は、「今回の合意は責任あるエネルギー調達に対する当社の長期的なコミットメントを示すものであり、再エネ目標の達成に向けた具体的な一歩だ」とコメント。また、ティム・ミルウッド上級副社長(サプライチェーン担当)は「本契約は長期安定価格でクリーン電力を確保できる戦略的手段であり、サプライチェーンの強靭化と持続可能性を同時に実現する」と述べた。

一方、BRUCのルイス・ベネロCEOは「AGCOの脱炭素化を支援できることを嬉しく思う。VPPAは当社の長期事業計画にとっても重要な要素であり、よりクリーンなエネルギーモデル構築に貢献する」と強調した。

本件にはエネルギー専門企業シュナイダーエレクトリックも関与。AGCOは、直接調達が難しい地域において、VPPAを再エネ導入の最も効率的で拡張性のある手段と位置付けている。

■AGCOについて
AGCOは1990年設立の農業機械メーカーで、フェント、マッセイファーガソン、PTx、バルトラなどのブランドを展開。2024年の売上高は約117億ドルに達している。

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