SMCは9月5日、NTTデータが開発したGHG排出量可視化プラットフォーム「C-Turtle®」を、国内の主要サプライヤー約600社に対して無償で提供開始すると発表した。大手製造業がサプライヤーに同システムを無償提供するのは初めての取り組みとなる。
同社はこれまで、サプライチェーン全体の温室効果ガス(GHG)排出量(Scope3)を業界平均値などの二次データに基づいて算定してきたが、今後はサプライヤーからの一次データを活用することで、より精緻かつ信頼性の高い算定を実現する方針。C-Turtleを共通基盤とすることで、データ収集の効率化やサプライヤーの負担軽減を図るとともに、各社の削減努力を算定に反映できる仕組みを整備する。
SMCは、空気圧機器で世界トップシェアを持つ自動制御機器メーカーで、2050年までのカーボンニュートラル実現を掲げている。同社は「サプライヤーを共に成長するビジネスパートナー」と位置づけ、協働による脱炭素化の推進を重視しており、今回の取り組みはその一環。将来的には海外のグループ会社やサプライヤーにも導入を拡大する考えだ。
一方、C-TurtleはNTTデータが開発したプラットフォームで、「総排出量配分方式(企業別排出原単位方式)」を採用し、サプライヤーの排出削減努力を反映したScope3算定を可能にする。NTTデータは今回の取り組みを通じてSMCのサステナビリティ経営を支援し、サプライチェーン全体の脱炭素化に貢献するとしている。