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カミンズのアクセレラ、米ナイアガラの水素施設向けに35MW電解装置を納入

・自社最大規模のPEM電解システム、北米でのグリーン水素普及を加速

カミンズ社(Cummins Inc. ):2025年9月3日

カミンズ社のゼロエミッション部門であるアクセレラ(Accelera by Cummins)は、米ニューヨーク州ナイアガラフォールズのリンデ社水素製造施設に対し、35メガワット(MW)級のプロトン交換膜(PEM)型水電解装置を納入した。同社にとって過去最大規模のシステムであり、完全に水力発電由来の再生可能エネルギーで稼働する。生産されたグリーン水素は、工業分野の脱炭素化や米国におけるエネルギー転換の加速に寄与する計画だ。

アクセレラ電解事業部門のゼネラルマネージャー、デス・マクメナミン氏は「今回の35MWシステム供給は、北米におけるクリーン水素技術の大きな前進にあたる。商業規模での安定したグリーン水素生産を可能にする実績を示すものだ」とコメントしている。

■プロジェクトの特徴
• 最先端技術:モジュール設計のPEM電解装置で高効率かつ大規模出力に対応。
• 最大規模:アクセレラにとって世界最大の35MW級納入案件。
• 再エネ駆動:水力発電電力のみで稼働し、ゼロエミッション水素生産を実現。
• 国内製造:米ミネソタ州フリドリー工場で製造、米国内製造基盤の拡充に寄与。
• 戦略的立地:豊富な再エネ資源と工業拠点への近接性に優れるナイアガラ地区に立地。
• 地域効果:雇用創出にもつながり、ニューヨーク州のクリーンエネルギー先進地域としての地位を強化。
グリーン水素市場拡大へ

再生可能電力を用いた水電解によるグリーン水素は、エネルギー転換に不可欠とされる。アクセレラはPEM方式電解装置の世界的な供給実績を持ち、これまでに600基以上を導入済み。代表例としてカナダ・ケベック州の20MW設備や米フロリダ州の25MWシステムなどが挙げられる。

アクセレラは、電動アクスルやバッテリー、燃料電池、電解装置などを組み合わせたゼロエミッション技術を展開し、産業機械・輸送分野の脱炭素化に注力している。北米はもとより欧州や中国でも事業を展開しており、グローバル規模での水素社会構築を支える構えだ。

■ アクセレラ (Accelera™ by Cummins)について

米カミンズの事業部門であるアクセレラは、世界の主要産業におけるゼロ・エミッション化を加速させるため、幅広いソリューションを提供している。アクセレラは、バッテリー、電動アクスル(eAxles)、トラクションシステム、統合型パワートレインソリューション、水素燃料電池、電解槽に注力し、部品供給とシステム統合の両方を手掛ける。現在は北米、欧州、中国で事業を展開している。
親会社であるカミンズは、米国インディアナ州コロンバスに本社を置く世界的なパワーソリューション企業だ。事業部門は相互補完的な関係にあり、多様なパワーソリューションの設計、製造、販売、サービスを包括的に提供している。2024年には従業員約6万9,900人を擁し、売上高341億ドル、純利益39億ドルを計上した。190以上の国と地域で強固な流通・サポートネットワークを構築している。

用語解説
◾️ ゼロ・エミッション:二酸化炭素など温室効果ガスや大気汚染物質の排出を実質ゼロにすること。
◾️ 電動アクスル(eAxles):モーター、ギアボックス、ディファレンシャルを一体化した電動車用の車軸。従来の車両のエンジンとトランスミッションの役割を担い、効率的な駆動システムを可能にする。

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