東亜建設工業(東京都新宿区)は9月3日、バングラデシュの公共事業局(PWD)より「ダッカ消防市民防衛局本部庁舎建設工事」を受注したと発表した。契約金額は約43億円、工期は30カ月を予定している。
建設地はダッカ市ミルプール地区で、地下1階・地上10階建て、延床面積2万2,436㎡のRC造建物を施工する。同国では初となる免震構造を採用し、基礎免震方式により地震リスクの低減を図る。
背景には、複数の大陸プレートが交錯するバングラデシュにおける耐震安全性の課題がある。既存建物の多くが耐震基準を満たしておらず、防災拠点の耐震強化が急務とされてきた。本工事は国際協力機構(JICA)による日本のODA有償資金協力(円借款)を活用して実施される。
設計はオリエンタルコンサルタンツグローバル、大建設計、Development Design Consultantsの共同企業体が担当。免震構造に加え、省エネと環境配慮を重視し、雨水再利用や太陽光発電、エネルギー管理システム(BEMS)を導入する。これにより、防災性能と持続可能性を兼ね備えた先進的な公共インフラの整備が期待される。
完成後は、ダッカ都市圏における防災拠点の中核として、災害リスクの低減と地域社会の安全性向上に寄与する見通しだ。
<工事概要>
• 工事名称:ダッカ消防市民防衛局本部庁舎建設工事
• 発注者:バングラデシュ公共事業局(PWD)
• 設計/監理:オリエンタルコンサルタンツグローバル・大建設計・Development Design Consultants JV
• 施工者:東亜建設工業
• 契約金額:約43億円
• 所在地:バングラデシュ・ダッカ市ミルプール地区
• 工期:30カ月
• 延床面積:22,436㎡
• 構造:地下1階・地上10階、RC造、基礎免震構造、直接基礎
• 特記事項:BEMS(エネルギー管理システム)、雨水再利用、太陽光発電