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IHI・IHIインフラシステム、トルコ・ボスポラス海峡でデジタル技術活用の渋滞緩和調査へ

・経産省補助事業に採択、長年の架橋実績生かしFS事業に着手

IHIおよびグループ会社のIHIインフラシステム(大阪府堺市)は8月27日、トルコ共和国における交通渋滞解消を目的とした調査事業について、経済産業省の「令和6年度補正 グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)」に採択されたと発表した。8月1日に正式に決定を受け、両社は実施準備に入った。

■ボスポラス海峡横断インフラを対象に

調査対象となるのは、慢性的な交通混雑が社会課題となっているボスポラス海峡横断インフラ群。橋梁やトンネルを含む同ルートは、アジアと欧州を結ぶ大動脈としてトルコ経済を支える一方、通行車両の増加により渋滞が常態化している。

今回のFS(フィージビリティスタディ)事業では、交通量計測データを基盤としたリアルタイムのダイナミックプライシングやデジタル制御技術を活用し、ピーク時の通行流動を分散させる方策を調査。渋滞緩和と持続可能なインフラ活用モデル構築の可能性を検証する。

■長年の橋梁事業実績を背景に

IHIインフラシステムはこれまでも、ボスポラス海峡に架かる複数の長大橋梁建設や補修事業に参画してきた。こうした長年の施工・維持管理の知見に加え、今回は日本国内で進展するデジタル交通管理技術を組み合わせ、現地のインフラ利用高度化に貢献する狙いだ。

■グローバルサウス戦略の一環

経産省が掲げる「グローバルサウス未来志向型共創事業」は、新興国・途上国における社会課題解決を支援する枠組みで、今回の採択はIHIグループにとって同事業への初の本格参画となる。トルコは地政学的に要衝であり、交通インフラの効率化は国際物流や地域経済への波及効果も大きいとみられる。

両社は今回のFS事業を通じて、交通需要マネジメントの新たなモデル事例創出を目指すとともに、トルコ国内におけるインフラ分野でのプレゼンス拡大を図る考えだ。

ニュースリリース

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