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日本海水、讃岐工場に木質バイオマス発電所を新設

・140億円投資で2028年度運転開始、製塩業界初のカーボンニュートラルへ

塩製造大手の日本海水(東京都千代田区)は8月26日、香川県坂出市の讃岐工場において、既存の石炭火力発電設備を木質バイオマス発電所へ転換する大型投資を発表した。総投資額は約140億円で、うち40億円は「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」による支援を受ける。

新設される「讃岐バイオマス発電所」は、2026年度に着工し、2028年度の運転開始を予定。発電出力は最大9,400kWで、燃料には建築廃材、樹皮、間伐材などの国内木質バイオマスを中心に一部海外材も活用する。燃焼方式は階段式ストーカを採用する。

■製塩業界の脱炭素化を牽引
日本海水は国内製塩市場で約40%のシェアを持ち、年間40万トンの塩を生産。煎ごう工程において大量の電力と蒸気を必要とするため、発電設備の脱炭素化は業界全体の環境負荷低減に直結する。

讃岐工場では従来、石炭火力により年間約13万トンのCO₂を排出していたが、今回の転換により坂出市全体のCO₂排出量の約17%に相当する削減が見込まれる。さらに、2030年度には2020年度比で67%の排出削減を達成する計画だ。

■グループ全体で再エネ拡充
同社はエア・ウォーターグループの一員として、これまで兵庫県赤穂市や福岡県苅田町などで木質バイオマス発電所を稼働させてきた。今回の讃岐工場での設備投資は、グループ全体のGX(グリーントランスフォーメーション)戦略の一環であり、2050年のサプライチェーン全体でのカーボンニュートラル達成を目指す。

2035年度には赤穂工場における脱炭素化施策も完了予定で、国内製塩メーカーとして初のカーボンニュートラル達成が視野に入る。

■設備投資概要(讃岐バイオマス発電所)

設置場所:香川県坂出市大屋冨町1793番地の3(株式会社日本海水 讃岐工場内)
発電方式:木質バイオマス発電
発電出力:最大9,400kW
燃焼方式:階段式ストーカ
年間燃料使用量:約14万トン(建築廃材、樹皮、間伐材、海外材など)
投資額:約140億円(うち補助金40億円)
着工予定:2026年度
運転開始予定:2028年度
CO₂削減効果:坂出市排出量の約17%相当/2030年度に2020年度比67%削減見込み
カーボンニュートラル達成:2035年度(赤穂工場の施策完了により)

詳細は、ニュースリリース

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