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斗山ロボティクス、米自動化エンジニアリング企業を約38億円で買収

・フィジカルAI時代の主導権狙う

・AIロボットソリューションリーダーへの歩み加速

斗山ロボティクス (Doosan Robotics ):2025年7月28日

韓国の協働ロボット大手である斗山ロボティクス(Doosan Robotics)は、グローバルなインテリジェントロボットソリューションプロバイダーへの変革を加速させている。同社は7月28日、米ペンシルベニア州に本社を置くロボットシステムインテグレーター・自動化エンジニアリング企業のONExia社の株式89.59%を取得すると発表した。

■戦略的買収で北米市場への足がかり構築

今回の買収は約2,590万米ドル(約38億円、147円換算)規模で、株式購入契約(SPA)の締結と増資参加により実現される。1984年設立のONExia社は、システム設計・製造から実装まで、自動化サービスをエンドツーエンドで提供する企業として40年の実績を持つ。

同社は製造業、物流、包装業界で強固なポジションを確立しており、生産性向上とコスト削減を実現するソリューションを提供してきた。近年は、北米で需要が高いパレタイジング、箱組み立て、包装などのエンドオブライン(EOL)プロセス向けの独自協働ロボットシステムの開発に注力。その結果、年平均約30%の持続的な売上成長を達成している。

■ハードウェアからAI・ソフトウェア中心への戦略転換

斗山ロボティクスにとって、この買収はインテリジェントロボット市場におけるグローバル競争力の加速を図る重要なステップと位置づけられている。これは、従来のハードウェア中心のビジネスモデルから、AIとソフトウェアベースのロボットソリューションを核とした統合プラットフォームへの戦略的転換を示している。

ONExia社は高度なエンジニアリング能力と産業特化型ロボットシステムの開発経験に加え、25年間蓄積した自動化データとプロジェクト実行ノウハウという貴重な資産をもたらす。これらの資産は、特にデータ駆動型インテリジェンスが重要な分野において、斗山ロボティクスのAI能力とソリューション開発を直接的に強化することが期待される。

■R&D強化とヒューマノイド技術への投資加速

買収と並行して、斗山ロボティクスは内部研究開発への投資も強化している。現在、ロボットR&D、AI、ソフトウェア開発、品質保証、企業戦略の各分野で専門人材の採用を最終段階で進めている。

同時に、R&D部門の構造改革も実施中で、AI、ソフトウェア、ヒューマノイド技術により重点を置いた体制に移行している。最適な開発環境を提供する新たなR&Dイノベーションセンターの完成も今年第3四半期内に予定されている。

■CEO、フィジカルAI市場でのリーダーシップ強調

斗山ロボティクスのキム・ミンピョ(Kevin Kim)CEOは今回の発表について次のように述べた。

「この買収は、我々がグローバルプレゼンスの強化、AI技術の内製化、そして次世代ソリューションの開発に向けた具体的な歩みを進める重要なマイルストーンです。ONExia社の専門知識と米国市場での確固たるポジションは、強力なシナジーを生み出すでしょう」

さらに、「インテリジェントロボティクスにおけるグローバルリーダーとしての地位を確立し、フィジカルAIの未来を牽引するため、我々はR&D、戦略的M&A、そして人材への投資を継続していきます」と今後の方針を明確にした。

■業界への影響

今回の買収は、協働ロボット市場がハードウェア競争から、AIとソフトウェアを核とした統合ソリューション競争へと移行していることを象徴している。特に、製造現場でのデータ収集と分析を通じたスマートファクトリー化が進む中、斗山ロボティクスの戦略は業界の新たなベンチマークとなる可能性が高い。

同社の今回の動きは、フィジカルAI時代における産業用ロボット業界の勢力図に大きな変化をもたらすと予想され、競合他社の戦略にも影響を与えそうだ。

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