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ジョンディア、米GUSSオートメーションを完全買収、高付加価値作物向け自動化強化

ディア社(Deere & Company):2025年8月27日

ジョンディア(John Deere)は8月27日、米カリフォルニア州キングスバーグに本社を置くGUSSオートメーション(GUSS Automation, LLC)を完全子会社化したと発表した。両社は2022年に合弁事業を立ち上げており、今回の完全買収により、労働力不足や資材コスト、作物保護といった高付加価値作物生産者の課題に応える自動化技術の展開を加速する。

ジョンディアの高付加価値・小規模作物部門のジュリアン・ル・ヴェリー ディレクターは「GUSSを完全に統合することで、果樹園やブドウ畑の生産者が少ない労力でより多くを生み出せる先進的かつ拡張可能な技術を提供していく」とコメントしている。

2018年にデイブ・クリンクロー氏によって設立されたGUSSは、自律走行型スプレーヤーを製造。GPSやLiDAR、独自ソフトを用い、単一のオペレーターが最大8台まで遠隔監視できる仕組みを持つ。これにより作業誤差の低減、省力化、資材ロス削減を実現している。これまでに世界で250台以上が稼働し、累計260万エーカーの農地で延べ50万時間に及ぶ自律散布を行ってきた。

GUSS製品は引き続きジョンディアの販売代理店を通じて販売・サービス提供され、ブランド名や従業員、製造拠点(キングスバーグ)は維持される。今後はジョンディアの精密農業技術との連携を一層強化し、対象散布システム「Smart Apply®」などと組み合わせることで、農薬や水の使用量を最大50%削減できる技術開発を進める。

GUSSのゲイリー・トンプソン最高執行責任者(COO)は「ジョンディアとの連携により、精密農業分野での革新力を活かし、より多くの生産者に効率性と生産性を高めるソリューションを届けられる」と述べた。

今回の買収により、GUSSの製造事業はジョンディアの米国内製造拠点を拡大し、米国における高付加価値作物の生産地帯に直接根ざすことになる。なお、GUSSスプレーヤーには2024年からジョンディア製エンジンが搭載されている。

■ディア・アンド・カンパニー(Deere & Company)について

創業は1837年、米イリノイ州モリーンに本社を置く世界最大級の農業機械メーカー。農業、建設、林業、芝地管理、動力システムなど幅広い分野で事業を展開し、食料・繊維・燃料・インフラの供給を支えている。鋼製プラウから始まった歴史を持ち、現在は精密農業や自動化技術を核にしたソリューションをグローバルに提供している。株式はニューヨーク証券取引所に上場(NYSE: DE)。

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