日立産機システムは8月26日、空気圧縮機を最新機種へ更新することで削減されたCO2排出量を「J-クレジット」として認証・売却し、収益を顧客に還元する新サービスを開始すると発表した。設備監視サービスを活用してデータを自動収集・分析し、算定から取引までを一括して支援する。
サービスの基盤には、日立グループのLumadaソリューションを活用した設備監視サービス「FitLive®」を採用。運転データを常時モニタリングし、CO2削減量の算出からJ-クレジット制度事務局への申請、売却までを日立産機が代行するため、顧客は設備導入後に特別な対応を必要としない。
本サービスは2025年度内に運用試験を開始し、2026年度から本格事業化を予定。日立産機は、産業用設備の高効率化とデジタルデータの活用を通じて、カーボンオフセットの促進とサステナブル社会の実現に貢献する考えだ。
■背景
産業分野は世界全体のCO2排出量の約3分の1を占めており、温暖化対策が急務となっている。J-クレジット制度は、省エネ設備導入や再エネ利用などで削減・吸収された温室効果ガスを認証し、取引可能にする仕組みで、環境省・経産省・農水省が共同で運営している。資金循環を通じ、排出削減努力とカーボンオフセットの両立を後押しする制度として注目されている。
■日立産機の取り組み
同社はコンプレッサーやドライブ機器、コーディング・マーキング装置など幅広い産業機器を提供。データセンター、電子・半導体、医薬品など多様な分野に製品を展開し、効率化と脱炭素化の両立を目指している。