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やまびこの決算説明資料、25年2Q増収増益を達成、海外OPE好調で売上高913億円

・米国・欧州市場の堅調な需要に支えられ、営業利益117億円を確保

小型屋外作業機械(OPE)大手のやまびこ(東証プライム、6250)は8月26日、2025年12月期第2四半期決算を発表した。連結売上高は前年同期比5.7%増の913億円、営業利益は同3.1%増の117億円となり、増収増益を達成した。海外OPE事業が北米・欧州市場で好調に推移し、国内も農業従事者の購買意欲回復が継続したことが寄与した。

※OPE = Outdoor Power Equipment(小型屋外作業機械)

■海外OPE事業が牽引、欧州は57%の大幅増収

セグメント別では、主力の小型屋外作業機械事業が前年同期比7.8%増の702億円と堅調に推移した。地域別では、北米市場が良好な天候やテレビ広告効果によりホームセンター向け販売が好調となった。欧州市場は新型ロボット芝刈機の販売伸長や代理店在庫調整の進展により57.4%の大幅増収を記録した。

国内OPE事業も米価上昇を背景とした農業従事者の購買意欲高まりにより、チェンソーや刈払機、防除機等の販売が堅調で4.3%増となった。

農業用管理機械事業は4.1%増の129億円。国内は堅調な需要を背景に防除機等の販売が好調だったが、北米では穀物価格低迷により農業事業者の設備投資が慎重化し海外は減収となった。

一般産業用機械事業は11.4%減の69億円。国内は発電機販売の伸び悩み、海外は米国関税政策への不透明感からレンタル会社の買い控えが生じた。

■通期予想は据え置き、米国関税政策への対応策を推進

2025年12月期通期業績予想は売上高1,670億円(前期比1.3%増)、営業利益185億円(同5.8%減)で据え置いた。為替レートは3Q以降を1ドル145円(前回140円)、1ユーロ165円(同160円)に修正した。

同社は米国関税政策の影響について、4月より生産移管計画の加速、全社的な原価低減推進、サプライチェーン最適化の3つの対応策を実行中としている。8月8日時点の関税政策(日本15%)に対しては価格対応や経費削減により影響を最小限とする計画だが、8月15日公表の鉄鋼・アルミ製品への50%追加関税の影響については精査中としている。

■中期計画最終年度、営業利益率・ROE目標は達成見込み

中期経営計画2025の最終年度となる今期は、売上高目標(1,700億円)は未達となる見込みだが、営業利益率11.1%、ROE11.5%はともに目標(10%、10%)を達成する見通しとなっている。

■新規事業創造で成長エンジン構築

同社は社会のGX(グリーン・トランスフォーメーション)を成長機会と捉え、新規事業創造に積極的に取り組んでいる。

6月にはアイケイエスと共同開発したマルチハイブリッドシステム(10kVA)の販売を開始。ディーゼル発電機、蓄電池、パワーコンディショナーを組み合わせた環境配慮型発電システムとして注目される。

また、i Laboとの資本業務提携により水素エンジン発電機の実証・量産化に向けた共同研究開発を推進。大阪・関西万博2025への実証機出展も予定している。

ロボット事業では、やまびこヨーロッパと米ゴルフ場管理機械大手のToro社が協業契約を締結。125か国以上にわたるToro社の販売網を活用した拡販により、今後の成長ドライバーとして期待されている。

■株主還元は安定配当を継続

株主還元については、2025年3月から5月にかけて40万株・約9億円の自己株式取得を実施済み。配当は安定的な配当継続方針を維持し、経営環境や業績を勘案した総合的な還元策を検討するとしている。

同社は「自然と環境の育成、整備への貢献」を理念に掲げ、ESG経営の実践により中長期的な企業価値向上を目指している。FTSE Blossom Japan Sector Relative Indexの構成銘柄に3年連続で選定されるなど、ESG対応への取り組みも評価されている。

詳細は、2025年12月期第2四半期決算説明資料

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