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コベルコ建機、愛知・知多市の「低炭素水素モデルタウン」実証に参画

・水素燃料電池ショベルの現場検証を加速

 コベルコ建機は8月22日、愛知県が進める「知多市における低炭素水素モデルタウン実証事業」に共同実施者として参加すると発表した。環境省の採択事業で、低炭素水素を地域で効率的に利活用する仕組みづくりを狙うもので、同社は独自に開発を進めてきた水素燃料電池ショベルの実証実験を担う。

 同事業には17の企業・団体が参画。全国最多の水素ステーション(ST)設置数を誇る愛知県を拠点に、街利用分野など幅広い需要先に低炭素水素を安定かつ低コストで供給することを目指す。水素STの自立化や供給網の効率化も重点テーマとされている。

■現場への導入で「実用化」へ手応え

 コベルコ建機は2021年から水素燃料電池ショベルの実用化に取り組み、2023年3月には試作機を完成。これまで神戸製鋼所 高砂製作所で連続掘削作業などの評価を実施してきた。今回の実証では、実際の工事現場において水素供給や稼働性能を検証し、本格展開につなげる考えだ。

 同社は「低燃費のコベルコ」を掲げ、これまでも世界初のハイブリッドショベルや有線式電動ショベルの開発を進めてきた。今回の参画については、「現場レベルでの評価を通じ、水素ショベルの実用化と普及を加速させる大きな一歩」と位置づけている。

■グループ戦略「KOBELCO-X」との連携

 本取り組みは、KOBELCOグループが推進する企業変革プラン「KOBELCO-X」における「AX(Ambidexterity:両利き経営)」および「GX(Green Transformation)」の一環でもある。

AX:機械事業部門が担う「水素を創る」と、コベルコ建機の「水素を使う」を連携させ、新たな価値創出を加速。

GX:建設機械における水素利用で、脱炭素社会の実現に貢献。

グループでは今後も「水素を創る・運ぶ・貯める・使う」に関わる技術開発を強化し、多様な事業の掛け合わせによる水素社会の実現を後押しする方針だ。

 ニュースリリース

 

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